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2020.04.24

世界中に響く音声合成技術VOCALOID

日本発祥の音楽革命?VOCALOID

 

技術大国「日本」!!

 

 

『初音ミク』のようなボーカロイドと呼ばれるバーチャル・シンガー、実は日本発祥の技術の一つだということをご存知だろうか。開発したのはあのYAHAMA、ピアノ生産台数世界1位、世界最大の総合楽器メーカーであるYAMAHAである。

 

 

発祥国の日本においては、パッケージのビジュアルがいわゆるオタク向けのような女の子であったため、オタク文化の一つとして認知されているが、ボーカロイドとはYAMAHAの叡智の結晶と言っても過言ではない音声合成技術。人の声をサンプリングし、メロディーと歌詞をコンピュータ上で入力することで、歌声へと変換。人が歌わなくても、パソコンを歌わせられるようになったのである。

 

 

ボーカロイドという名称は、Vocalに接尾辞のoidを組み合わせて作られた造語。「ボーカルのようなもの」という意味になる。ちなみに、「VOCALOID(ボーカロイド)」や通称「ボカロ」はYAMAHAの登録商標だ。

 

 

このボーカロイド技術を用いたPC用ソフトの最初の発売は2004年にまでさかのぼる。イギリスのZERO-GというメーカーがLEON(男声)とLOLA(女声)の販売を開始した。日本では遅れること数ヶ月、クリプトン・フューチャー・メディアがMEIKO(女声)を発売。またたく間にアマチュアDTM愛好家たちの支持を得て、約3,000本もの大ヒットを記録することになる。そのおよそ3年後、ボーカロイド技術は「VOCALOID2」へとアップデートされ、あのバーチャルシンガーの「初音ミク」が登場することになる。

 

 

「VOCALOID2」では、音声合成エンジンを一新し、さらにリアルな歌声を追求。息使いまで再現できるようになった。その後もユーザーの使いやすさや現実の歌声の再現により近づけるための技術刷新を行い続け、現在2020年では「VOCALOID5」が最新モデルとなっている。

 

 

発売から現在まで、世界各国でVOCALOID技術を用いたソフトは100以上。対応言語数は日本語、英語に加え、中国語、韓国語、スペイン語の5つ。

 

 

音源については、YAHAMAとライセンス契約をした各社が、ボーカロイドのもととなる音声をサンプリングし、YAMAHAのソフトウェアと合わせて販売するというカタチをとられている。

 

 

ボーカロイドの権利関係は?

 

ボーカロイドについてよく聞かれる疑問が、権利関係だ。もちろん、ボーカロイドの元になった声の持ち主は存在するし、例えば初音ミクは一つのキャラクターとして大きな価値を持っている。

 

 

ここに関して、多くのVOCALOIDソフトの使用権利は「音声」と「キャラクター」別々に定められている。音声だけを使用する場合は、原則として楽器とされる。つまり自由だ。YAMAHAのピアノで演奏しようが、Gibsonのギターを掻き鳴らそうが、それに対して楽器メーカーに一銭も入らないのと同じことである。ただし、キャラクターを使用する場合は別で、例えば初音ミクというキャラクターや名称を用いて勝手に営利活動を行ってはならないのである。

 




Writer

佐藤志郎

2010年に広告制作会社を立ち上げる。主要な取引先は通信販売会社であるため、得意分野はダイレクトレスポンス広告。


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