2020.10.17
【コスプレイヤー:紗月】同人活動は愛をぶつけること
何がどうなってコスプレイヤーにつながった?
お父様がナイジェリア人、お母様が日本人というハーフの紗月さん。以前インタビューに登場してくれたもいもいさんからの紹介のはずだったんだけど・・・
「はのんさんのインタビュー読みましたよ!あの写真、私が撮らせてもらったもので、あ~!!使ってもらってる~って驚いたんです」
え??業界狭しと言えど、こうも輪がつながっているなんて、こちらも驚き。
ところで・・・正直気になるのが紗月さんがなんでコスプレの道を歩んだのか、だ。だって、アフリカナイジェリアの大自然の血だよ!?全然オタクっぽくないじゃん!!
「いやいや、ナイジェリアって結構経済的に発展してるみたいですよ。行ったことはないんですけど(笑)。私、高校生の頃に演劇部に入っていたんです。もともとゲームとかマンガは好きだったんですが、どっぷりではなくて・・・オタク予備軍でしたね。その時、コスプレをしていた先輩にチャイナドレスを着させられて武器を渡され写真を撮られ・・・それで興味を持ちました」
コスプレとの出合いを語る紗月さん。
コスプレに覚醒め、ぶつかった壁とは?
まさに覚醒め・・・以降、紗月さんはコスプレに興味を持ち、衣装を纏うようになる。
「セーラームーンとか進撃の巨人をきっかけに、今まで30キャラくらいのコスプレをしてきました。併せで仲間同士集まって、ワイワイやるのが好きですね。写真も撮りますが、それはもう一つの趣味として楽しんでいます」
ただ、最初は好きなキャラクターの衣装に袖を通しているだけで楽しかったのだが、次第にある違和感を自分に感じるようになってきたそう。
「私はハーフでもともと褐色の肌。色白の肌のキャラクターはどうしても合わなかったんです。スタイルも骨格も日本人とちょっと違いを感じますからね。それがコンプレックスで・・・」
確かに肌が白ければ焼けばいいのかもしれないが、逆は難しい。
以前は肌の色がコンプレックスだったと話すが・・・
コンプレックスとは、自分だけの武器だ
「ただ、よく考えたらこの肌の色って武器なんじゃないかって思えたんです。例えば今日のコスプレのBLACK LAGOONのレヴィだって、自分がこの肌の色だからコスプレ仲間に絶賛してもらえるんだと思います。あと、顔がハッキリしているのでコスプレメイクをしてもそんなにビフォーアフターが変わらないんです。だから、初対面でも顔を覚えてもらいやすいですね(笑)」
なるほど・・・コンプレックスは自分の強みと捉えたからこそ、キャラクターに個性を乗せることができるのだろう。
「そう、ハーフに生まれたことは私だけの個性。例えば、二次創作の同人誌だって原作に描き手の絵柄を合わせるから面白いってあるじゃないですか。それと同じで、キャラクターに自分の肌やスタイルを合わせることで、コスプレという表現がもっと面白いものになっているんだと思います。だから今では、この褐色の肌が好きですし、かっこよく感じています」
【ワンピース】ニコ・ロビン/カメラマン:IKURAさん(@came_19ra)
【Fate/Grand Order】沖田オルタ/カメラマン:まさやさん(@Sheryl_Noooome)
イベント主催もする紗月さんの同人活動
そんな紗月が主催する撮影イベントはコスプレ仲間から大絶賛されているそう。
「大人数の併せの撮影って、やっぱり幹事さんみたいな人がいて、調整とかいろいろしてもらったり、なんか悪い気がしていたんです。それに、私がこれを撮りたいって時に、そういうイベントがなかったり。だから自分でやっちゃおうって思い、主催のイベントを始めました」
なんという行動力・・・心から驚かされる。自分でやりたいことを自分の力でやるのは、確かに早いし自由でもある。が・・・その実現に向けて動くのは用意ではない。
「撮影場所はスタジオだけじゃなく屋外でもあるので、土地の所有者の方に連絡したり、使用用途の申請をしたりもありますね。参加者を募ったりやることは本当にたくさんあります」
【グランブルーファンタジー】クロエ/カメラマン:Ryowさん(@Ryow181)
【Fate/Grand Order】BB/カメラマン:朝霧さん(@Earl_of_Pumpkin)
想像しただけでめまいがしてくるような仕事量。このパワーはいったいどこから出てくるのだろうか?
「う~ん・・・ちょっと違うことをしたいんです。と言っても、本当にふざけておかしなことをしたいってわけじゃなくて・・・。以前やったのは、オリジナルシャンパンを作って参加してくれた人にプレゼントしました。思い出にも残るし、あの時のイベント楽しかったなって覚えてもらえてたら嬉しいじゃないですか。あとは、結婚式のシーンを撮るのにスタジオじゃなく実際にチャペルを借りたり」
なんと、この「イベントへのこだわり・違い」が心をつかみ、紗月さんのイベントには首都圏で開催されるのにも関わらず北海道からの参加者もいるという。しかし、ここまでいろいろやったら、お財布事情は・・・?
「同人活動だから儲けなんで考えてないですよ。基本、赤字です(笑)。作品を借りている身ですし、一種のファン活動でもありますからね、そこで利益を出すのは嫌かなぁ。私自身も参加者さんも良い思い出や記念になってくれたらそれで大成功だと思うんです。法に触れないように、好きなことを好きなようにやる。これが同人活動だし、愛をぶつけていくってことだと思うんです」
この言葉・・・胸に響く。まさに同人活動を体現している紗月さん。いつまでも愛を思いっきりぶつけたイベントを主催し続けてほしい。
紗月さんイベントのオリジナルシャンパン!!
【アークナイツ】グラベル/カメラマン:メイジさん(@Mage_Industry)
●紗月
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Writer
佐藤志郎
2010年に広告制作会社を立ち上げる。主要な取引先は通信販売会社であるため、得意分野はダイレクトレスポンス広告。