2020.10.20
知っておきたい「一次創作」と「二次創作」の違いについて
同人活動を行っていると「一次創作」や「二次創作」という言葉を耳にすることがあるだろう。
これらは同人分野で生み出された言葉であり、同人活動を行って行く上できちんと理解しておきたい要素でもある。
この機会に一次創作と、二次創作の違い書き記していくので、キチンと理解して同人活動を楽しんでいってほしい。
一次創作?二次創作?
まず最初に「一次創作」とは、作者さん本人が一から考え、制作を行った完全オリジナル作品のことを示している。
当然著作権は作者さん本人にあり、二次創作の観点から見れば原作とされる作品のことを指し示している。
ちなみに作者さん本人が制作したスピンオフ作品や続編、メディアミックスにおいて公式から販売された商品などもこの一次創作物に含まれる。
次に「二次創作」とは、一次創作物の設定やキャラクター、または世界観などを利用して作者さん以外の人間が制作した作品の事を指し示す。
マンガや小説などの同人誌だけに留まらず、イラスト、キーホルダーやポストカードといったグッズ全般、ゲーム、CDなど制作者である本人が考案・創作した作品以外の物を使用した創作物は全て二次創作に当てはまる。
これらはどちらも同人文化に合わせて使用されるようになった言葉だが、その成り立ちから先に生まれたのは「二次創作」の方だった。
そして二次創作という言葉が使われるようになった流れの中で「一次創作」という言葉が派生して生まれたのである。
オリジナルでも二次創作なの?
例えば制作者さんがオリジナルのキャラを生み出し、舞台背景に設定も考え、ストーリーも一から考えたとしよう。
しかし、そのストーリーの中にとある作品のキャラクターを一人登場させた場合、この作品は一次創作と呼んでもいいものなのか?
答えは否である。
仮に制作者さんが99%の内容を創作したとして、そこに1%でも他作品の要素が加わればその瞬間にそれは一次創作物から、二次創作物へと変化する。
基本的に二次創作した作品をオリジナル作品として発表することはマナー違反となるし、出版社などへの持ち込みや、公募されている賞レースへのエントリーも厳禁。
そのことをよく理解して、制作した作品を扱うよう注意して欲しい。
同人活動をする上で気を付けたいこと
基本的に一次創作された作品は作者さんに著作権が発生する。
もしも作者さんが二次創作に拒否反応を覚えて、二次創作の禁止を訴えてしまったら、その時点でその作品の二次創作活動は違反行為となってしまうのである。
本来は作者さん本人の許可が必要であるところを、現在ではほとんどの作品が二次創作に関しては黙認しているような状況であるため、我々は二次創作を楽しむことが出来ている。
そのため営利目的の二次創作は厳禁であることも合わせて理解していて欲しい(故に同人誌即売会でのやり取りを『頒布』と呼んでいる)
ただしキャラクターや設定などの著作権が作者にあるからといって、制作者さんの作品に対して一切著作権が発生しないわけではない。
当然制作者さんが作り上げた作品に関しては、その制作者さんに著作権が発生するのだ。
近年、マンガなどの違法アップロードサイトが横行、その中でも有名だったサイトが取り締まられ閉鎖になった事件はいまだ記憶に新しい。
同時に同人誌の違法アップロードサイトも同様の取り締まりが行われ、続々と閉鎖の一途を辿っているのはご存じだろうか?
当たり前だが、著作権の発生している同人誌を違法にアップロードする行為、ましてやそれによって利益を得る行為は違法である。
それをしっかり理解した上で、アップロードなどの違法行為に手を染めないことは勿論だが、違法サイトを利用してしまうこともないように注意しよう。
あくまで二次創作というのは作者さんが生み出してくださった作品をお借りしているのである。
なによりも二次創作を行う上で、原作となる一次創作作品へは常に敬意を持って接して欲しいと思う。
そして大好きな作品の二次創作を楽しみ、よりその作品が発展するキッカケになっていけば最高の結果ではないだろうか?
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Writer
Shuuuuhi