2020.04.20
心と生態・・・同人とオタクの違い
同一視される「同人」と「オタク」
日本では「同人」と「オタク」は同一視されることが多い。例えばコミックマーケットなんかは「オタクの祭典」だと一般的に認識されている。同人活動を行うことがオタクなのか・・・同人とオタクの定義について解説しよう。
まず、同人とは何度も何度も口を酸っぱくして言うが「同じ主義主張・志を持っている個人や団体」を指す言葉。つまり、信念の上で成り立っているものであり、同人活動は信念に基づいた行動や発言・発信である。
実はこの同人とオタクは全く関係がないと初めに断っておこう。
同人とはカタチのない「心」であり、オタクとは「個々の生態」である。
では、一体なぜ同人とオタクが同一視されるようになったのか・・・その歴史を紐解いていきたい。
もともと日本語の「おたく」とは「あなた」を指す言葉であった。しかし、1980年代頃の小児性愛雑誌に内で「それらの性的嗜好を持つ人々」を「おたく」を名付け初めて活字化する。また、当時の大人気SFアニメでも「特殊な性的嗜好を持つ人」のことを、主人公が「おたく」と呼んでいたことからも、爆発的に「おたく」が広まっていった。
そのため「おたく」は本来の意味を変え「負のレッテル」へと進化していったのである。
カッコいいか否かで区別される「同人活動」
では「なぜ同人活動を行う人はオタクと同一視されるのか」に話を戻そう。例えば音楽。自らの音楽性を信じ「売れずに全く芽が出ない」ながらも日夜ライブを繰り返すバンドマン。これも立派な同人活動だ。しかし、同人ともオタクとも呼ばれない。それはなぜか?ハッキリ言ってしまえば「音楽というジャンルが一般層においてカッコいいもの」だと思われているからだ。サブカルチャーに優劣をつけるなど、無駄であり生産性が皆無であり、これほどまでにバカげていることはない。が・・・事実だ。
一方、極端に言えば、同人誌などに代表される同人活動はアニメやマンガを題材とすることが多く、それらを好む傾向にある人がオタクと呼ばれることが多い。太っていたり貧弱だったり健康的とは言えない体型、ヨレヨレの衣服、自分の身なりに気を使うことなく、人とのコミュニケーションを苦手とする人種。それが一般層がイメージするオタクであり、一般層がイメージする同人だ。
違うんだ!!同人活動とオタクはイコールではない。
同人活動とは利益を求めない活動であるが故、資本主義とは相反するコミュニティーを形成するしかなく、それが同人誌即売会のようなイベントなのだ。そして「バンドマンのような一般層にカッコいいと思われるような同人活動家」以外のオタクと呼ばれる同人活動家は、そのイベントに集まるしかないのである。
どんな身なりだろうと主義主張は曲げない。志を持って活動を行う。同人は「心」!オタクは「生態」!なんです!!
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Writer
佐藤志郎
2010年に広告制作会社を立ち上げる。主要な取引先は通信販売会社であるため、得意分野はダイレクトレスポンス広告。