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2021.09.04

【書家:蒼喬】文字をアートにする書家が登場!!

 

 

日本人芸術家として初の快挙!!

漢字一つひとつには意味がある。見たものや感じたことは図になり、文字になる。そして文字がアートになる。今回のインタビューで登場してくれるのは新進気鋭の書家、蒼喬さんだ!

 

 

「書道は元々、文字を実用として使うために学ぶ分野だったものが、次第に文字をキレイに書くことが目的となり、今ではパフォーマンスとしての書道やデザインとしての書道が注目されるようになってきました。私は、どちらかと言えばデザイン書家かもしれません」

 

そう、蒼喬さんは日本が誇るアニメやゲームのサブカルチャーなどともタイアップし、UAEやリトアニア、フランスでも作品が展示されるほどの実力者。しかもニューヨークのカーネギーホールで日本人芸術家として初めて作品が飾られるそうだ。

 

「今でこそ、書家として独り立ちのように活動させてもらっていますが、実は書道が好きではなかったこともあるんです。もともと字が汚いからって親に習わされていただけでしたから(笑)」

 

蒼喬さんの書道のきっかけは、言ってしまえばよくある習い事の一つだったという。

 

慧(フランスで展示された作品)

 

雨(アブダビに展示された作品)

 

 

 

書道をやめたかった日々・・・

「書道を初めて19年。そのうち16年はきれいな文字をお師匠のお手本通りに書くだけだったんです。高校生にもなれば、部活や受験で忙しいじゃないですか。だからやめたいって何度も言いました。でも・・・その度に書道協会の人から止められて。実際に、一度は飲食関係に就職したこともあるんですよ。食べることも料理を作ることも好きだったので」

 

そう、書道だけで食べていけるという人は、ほんの一握りのような世界だ。

 

悉達多

 

「ただ、たまたま姉が私の字を見て、こんなに書けるなら仕事になるんじゃ?って実際に依頼を持ってきてくれるようになったんです。今まで書いたものを見せるって、師匠くらいだったので・・・人に見せて喜んでもらったり、すごいって驚いてもらうことがとても新鮮で快感でした」

 

十数年もひたすら書き続け、いつの間にか見た人に感動を与えられるレベルにまで到達していたことに気付いた蒼喬さん。飲食業で持っていた鍋や包丁を筆に変え、プロの書家としての一歩を踏み出したのある。

 

四国巡礼

 

 

 

字を書くのではない、字を描くのだ

我々素人は、書道は「字を書くだけ」だと思ってしまいがちな部分もあるだろう。そこで実際に「書」を蒼喬さんに仕事として発注した場合の流れを聞いた。

 

「まぁ、そう思ってしまいますよね。でも一つの作品で1週間くらいかかることもあるんですよ。例えば『花』という漢字がありますよね。まず実際に書く前にいろいろなパターンを頭の中で思い浮かべます。同じ花でもヒマワリなのかスズランなのかラフレシアなのかで字が変わってきますから」

 

 

なるほど・・・こうした記事の文字をパソコンで打っている我々にとって『花』は『花』でしかないが、蒼喬さんは『花』という一文字の可能性を考えるというわけだ。

 

「その後はひたすら書き続けます。何回も何回も練習して、自分に依頼してくれた人の理念やイメージとすり合わせしていく。何十回と書いて、その中でこれだと思う数本を提出させてもらうようにしています」

 

ただ文字を文章として書くだけなら、意味さえ伝わればいい。しかし、文字だけで文字以上のものを表現するからこそ「書けばいい」わけではないのだ。

 

太陽系

 

「そう、字を書くことなんて誰にでもできるんです。その中で、自分にしかできないものを持っておきたいですね。以前、飲食の仕事を経験したり、高校の時にデザインの勉強をしてきたり、自分で学んだこと活かして自分にしか書けない字を書いていきたいと思っています」

 

 

 

若者にも、海外にも、書道の文化が届くように

何千年として続いてきた書道という文化・・・これをそのままのカタチで残すことも必要だが、時代に合わせて進化させることも大切だ。それこそ漢字という文字の成り立ちでさえ、時代とともに移り変わっている。

 

「私はできるだけ若い人たちに書道に対して目を向けてほしいなって考えているんです。文字がキレイ、上手というだけの部分だけではなく、エンターテイメントとして書道を楽しんでほしいかな。それに、もともとアニメやゲームも好きですから。書道を掛け合わせることで、より海外にもアピールできるのかなって思ったり」

 

 

最後に蒼喬さんの目指すべき目標はどこなのかを聞いてみた。

 

「夢はルーブル美術館で個展を開くこと。そして、日本で言えば大河ドラマの題字を頼まれるようになりたいです」

 

書道をやめたい、つまらないと言っていた少年はもういない。「書道が好き」とスパッといい切る蒼喬さん、これからの書道界を引っ張っていってほしい。

 

 

 

 

●蒼喬

 

Twitter:@sokyo1226

 

Instagram:sokyo1226

 

 

 




Writer

佐藤志郎

2010年に広告制作会社を立ち上げる。主要な取引先は通信販売会社であるため、得意分野はダイレクトレスポンス広告。


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