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2022.04.02

【参議院議員:ふじすえ健三】日本が誇る「創造文化」を守り、発信する

 

 

今回のインタビューは「このお方、チートかヨ・・・」と思いたくなうような経歴の持ち主。我々が足を運んだのは参議院議員会館である。もう一度言うぞ?参議院議員会館だ!国会議員のアレだ!!もちろん、その周辺じゃない。会館内部だ!!!

 

熊本県出身で東京の大学を卒業し、経済産業省に入省。その後、マサチューセッツ工科大学やハーバード大学の大学院を卒業して、プロボクサーライセンスも取得。さらに、日本の大学の頂である東京大学の准教授に就任して参議院議員に当選・・・この記事を書いていると、改めて「マンガから飛び出てきたような人物だ」と思わされる。

 

そう、その人こそ・・・ふじすえ健三議員だ!!

 

ふじすえ議員は「日本が誇る同人文化を敬い、守り、育て、発信していく」という政策を掲げている、いわば「先導者」である。ただ、そんなモノスゴイ経歴を歩んできた人が、なんで同人文化?と思わざるを得ない。

 

ハッ・・・まさか、ふじすえ議員はヲタ・・・?

 

 

新しい文化の発展と接し方

「(笑)。自分がオタクかどうかは難しいですよね。だた、昔からマンガは読み漁っていましたよ。自分では普通だと思ってたけど、周りと比べるとかなりの量だったかもしれません。私も同人誌即売会で同人誌を頒布させてもらったり、娘もコミティアにガンガン出ていますから」

 

おぉ、ご本人だけでなくご息女までも同人誌即売会に・・・こういったら議員の先生に大変失礼かもしれないが、同志!!

 

 

「昔は、オタクといえばあまりいい印象ではなかったですが、今それが少しずつ良い方向に変わってきていますよね。同人誌即売会だって儲けが先に来るのではなく、自分の表現が第一です。そしてそれを楽しんでいる。同人文化は、古くは明治時代にさかのぼります。あの森鴎外だって同人誌・・・その頃は小説が主だったのですが、書いていたとされています。そしてその頃は、家庭では子供に「小説は読むな」とか言っていたそうですよ。それが、年代が移り変わるにつれて、テレビを見るなになって、ゲームやインターネットをするなになって。新しい文化は初めは否定され、段々と市民権を得ていくんですね」

 

 

そう、新しい文化が受け入れられるまでは時間がかかる。その最たる例が、2020年に香川県で施行された「香川県ネット・ゲーム依存症対策条例」だろう。ふじすえ議員も、この条例の反対に尽力されたそうだ。この条例の是非を、当記事内では問わないがあえて聞きたいことがある。ふじすえ議員は、父として子供とゲームにどう関わっているのだろう。

 

「僕は子供にゲームをやっちゃだめなんて言いませんね。それよりも、親も一緒にやって楽しもう!という考えです。香川県の条例に賛成した方々って、ゲームがどのようなものがほとんど触れたことがないらしいんですね。それはいかがなものかと・・・。ゲームって子供たちの逃げ道でもあるんですよ。友人・家族関係で苦しんでいる子たちがゲームにハマっていく。だったら、親もその世界を理解するために一緒にゲームをすればいいんです。そうしたら、子供も同じ目線で話をしてくれるようになる。悩みを打ち明けてくれるようになる。心理学の先生も、同じようなことをおっしゃってました。そしてポイントは、ゲーム機は絶対に家庭のリビングに置くこと!ですね。子供がどんなゲームをやっているのかわかりますし、共通の話題にもなりますよ」

 

なるほど、ふじすえ議員の子供との関わり方、スッと胸に落ちました。

 

 

 

Doujinといえば「エロ」ってアリ?

日本が誇る同人文化を世界に~そんな目標を掲げている我々だが、海外で「Doujin」と言えば、まだまだ「エロ」を指す言葉だと思われることも多々ある。もちろん、ふじすえ議員もそんなことは百も承知だ。

 

 

 

「エッチなのはエッチなのでいいと思いますよ。インターネットだって、それがなかったらここまで発展したかどうか(笑)。それはそれとして認めていくべきではないでしょうか。当然、例えば二次創作の同人活動で言えば、作者が意図しない作品が出回ることもあると思うんです。ただ、それを含めた日本のカルチャーは世界でも類を見ません。アンダーグラウンドの部分も公式と繋がりを持てる部分も、今後は重要になってくるはずなんです。時代は変化していきます。日本には、同人文化の下地がある。だからこそ、スーパースターと言えるようなマンガ家が続々と誕生しているんです」

 

おっしゃる通りだ。プロのマンガ家さん達の中にも、もともと同人活動をしていたという人も多い。

 

 

 

兆円規模になる日本のカルチャー

ところで、なぜふじすえ議員はこれほどまで同人文化に着目するのだろうか。日本が誇る~というのは、納得できるが、政策として掲げるだけの価値を見出した理由とは?

 

「まずマンガやアニメが生み出す市場ってどれくらいになると思いますか?例えば、一つのヒットマンガがあったら、それはアニメ化され、ゲームになり、映画が公開され、そこには音楽やキャラクタービジネスもついてくる。全部をつなげることで、建設業に匹敵するとされています。国内外まで考えると、数十兆円の経済規模になります」

 

おぉ・・・天文学的数字。ついつい「牛丼何杯食べられるんだろう?」って考えてしまう我々とは、さすがに脳の作りが違う。

 

 

「そして、それらを支えるのはクリエイター。そのクリエイターは同人文化に触れて成長してきています。では、その根底に何があるのかと言うと・・・表現の自由です」

 

おおぉ・・・つながった!全てがつながった!!国策として考えるほどの経済規模、根底にある表現の自由。だからこそ、ふじすえ議員は同人文化・創作文化の発展を掲げているのだ。

 

 

 

マンガファンとして実写化も待望

最後に、いちマンガファンとして聞いてみたいことがある。毎度毎度、賛否両論巻き上がるマンガの実写化。これはある意味、公式が認めた二次創作ではあるわけだが、ふじすえさん(あえて議員と呼ばない)はどう考えているのだろう。

 

「そうですね、まず実写化してすごい!と思ったのは「帝一の國」ですね。政治の世界に身を置くものとして、非常に面白く見させてもらいました。「るろうに剣心」も面白かった!ただ、逆に地獄だな・・・って思う作品もあったりなかったり。僕が実写化してほしいと思うのは「覚悟のススメ」です。アメリカでやったら絶対ウケるだろうなぁって感じてますよ。あとは昔のになってしまいますが「ザ・ムーン」です。こればっかりは思い出補正もかかってしまいますがね(笑)」

 

 

政治家として、マンガファンとして、精力的に日本が誇る創作文化、表現の自由を発信し続けるふじすえ議員。日本がもっともっと創作活動のしやすい国になるよう一同、期待しております!!

 

 

●ふじすえ健三

 

Twitter:@fujisue

 

webサイト:https://fujisue.net

 

 

 




Writer

佐藤志郎

2010年に広告制作会社を立ち上げる。主要な取引先は通信販売会社であるため、得意分野はダイレクトレスポンス広告。


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