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2020.08.19

【コスプレイヤー:なつめ】自分の中の「おじさん」に問いかける

おじさんと思っていたら・・・大きな誤算!

今回のインタビューはコスプレイヤーのなつめさん。以前インタビューを受けていただいたはのさんからのバトンだ。事前情報によるとおじさんか~・・・う~ん、おじさんか~・・・はぁ。いや、DoujinWorldのインタビュー記事は老若男女問わずですよ。年齢性別によって我々のやる気が変わるなんてあってはならぬ!!はぁ・・・でも、Twitterの名前のところに「なつめおじさん」って書いてあるしなぁ。おじさんだしなぁ・・・。

 

そんな感じで社内で待機していたところ・・・

 

「こんにちは~なつめです」

 

なんて黄色い声が聞こえてきた。え・・・?ちょうどインタビューの約束時間、もしかしてなつめおじさんのHoney的な方なのだろうか。

 

「今日はよろしくお願いします!」

 

と、むさ苦しい社内に一輪の花が咲く。ちょ、なつめさんおじさんじゃねーじゃん!!

 

さすがに「おじさん」を名乗っていたとしても「You!やっチャイナよ」みたいなおっさんギャグは言わない。真面目にインタビューに答えてくれたなつめさん。

 

さっそく衣装に着替えてくれたなつめさん。おじさんというよりは、おじさんホイホイなチャイナバニーのコスプレだ。いい意味で裏切られたが、なんでおじさんと名乗っているのさ!

 

「ははは、勘違いさせちゃってすいません。TwitterのDMだけでのやりとりでしたもんね」

 

というインタビューらしからぬトークで始まった今回のインタビュー。でも、なんでおじさんなんでしょう?

 

「私、もともと男性向けのコンテンツが好きだったんです。月姫とかFateとかですね。だからおじさんって言ってます。昔からそういうエr・・・ギャルゲ!ギャルゲです。をよくやっていたんですよ。それが高校一年生くらいの時でしたね。同じような趣味の友人も少なくて・・・そこで私ってオタクなのかもって気付きました」

 

なるほど、高校一年生・・・ぴちぴちのJK時代からエr・・・ギャルゲにハマっているとは、類まれな資質の持ち主といっても過言ではない。

 

「ちょうど同じくらいの時期にコミケの存在を知りました。オタクなら一度は行かなきゃ!って思いましたね。でも、さすがに一人ではいけなくて高校二年生に進級。そしたら、たまたまオタクなクラスメイトに出合っちゃったんです」

 

一人で燻っていたオタクの種火・・・二人合わされば爆発的に燃焼が加速するものだ。早速、コミケでコスプレデビューの話が持ち上がったそう。

 

「初めてのコスプレは絶望先生でした。アニメもずっと見ていて、好きなキャラクターだったんです」

 

とのこと。しかし、今日のコスプレは絶望先生とは全く指向性が異なるように感じるが・・・

 

 

歴史を紐解きアレンジする、なつめさん独自の創作コスプレ

豊富な歴史の知識から生まれるコスプレアイデア

 

「実は、今日のコスプレは創作なんです。歴史がとても好きで、歴女なんて言いますが、私もそんな感じです。日本で特に魅力的に感じるのは室町時代。粋で派手目な衣装を着た反抗的な人たちが出てきた時代。バサラ者とかバサラ気質とか言うんですけど・・・」

 

ちょいちょいちょい!オタクは時に、専門分野を振られるとその沼へ誘う。いや、引きずり込もうとする。うん、なつめさんさすがオタクを自負するだけのことはあるわ。

 

「話がそれちゃってごめんなさい(笑)。今回のコスプレは日本じゃなくて中国ですね。1920年代の中国のモダンガールがモチーフになっています。その頃に流行したチャイナドレス、中国ではチーパオと言うんですけど、そのカタチをアレンジじました。特に襟元がこだわりです」

 

なるほど、今でいう一般的なチャイナドレスだと、襟元は詰襟タイプのものが多い印象だ。しかし、なつめさんの襟元は開いている。しかし、そんな衣装が都合よく売っているのだろうか?

 

「衣装はほとんど自作です。型紙から起こして、今日のは約1ヵ月かけて作りましたね。頑張りすぎて寝落ちしてしまうこともあったほどです。裁縫は小学生の授業依頼、ぜんぜんやったことがなかったんですが、なんとか・・・」

 

なんと驚き!生地も全くペラペラでなくずいぶんしっかりしているなぁなんて思っていたら、ほとんどがお手勢だったとは。

 

「この紫の裏地も自分で付けているんですよ。アクセサリーとか、そういう難しい小物以外は全部作りました。ウィッグも、もちろんその年代に流行した髪型を真似て作っています」

 

さすがオタク!さすが歴女!こだわりがモノスゴイ。

 

「今までで創作モノのコスプレは10着くらい、版権モノを入れると合計30~40着くらいは作りましたね。刀剣乱舞とか昔から好きだったFate、あとはVOCALOIDとか」

 

なんと・・・その数に驚かされる。さらに話を聞くと、今日もそうなのだが肌を露出するコスプレも多いそうだ。

 

江戸時代の絵師「狩野探幽」の麒麟図をモチーフにしたコスプレ

 

白隼がテーマのコスプレ。発想力・アレンジ力に驚かされる

 

 

私の中のおじさんに問いかける露出度

「私の中の『おじさん』が出ちゃんですよ。もっとこうした方が心をくすぐるとか考えますよね。でもおじさんの反面、女性でもあるので、その対策はしっかりしなきゃって。コミケの露出対策のガイドラインみたいのがあるんですけど、それはとても参考になりますよ」

 

我々も個人サークルとしてコミケに参加したこともあるが、まさかそんな項目があったなんて。コスプレイヤーの皆さんもぜひ一読してほしい情報だ。

 

Twitter上で海外のオタクとつながりも出来、さらにそこから友人としてネットゲームを楽しむこともあるというなつめさん。日本と海外のコスプレに対する考え方の違いも語ってくれた。

 

「日本は良くも悪くも完璧主義なのかもしれません。ウィッグからメイク、衣装などなど全部にこだわる人がとても多い印象です。でも海外の方は、一貫して自分の楽しみが第一優先ですね。クオリティだけを求めずに、楽しいって気持ちをとても大切にしているような気がします。コスプレって私にとっては料理のビュッフェのような感覚。どのメイクにしようか、衣装を着ようか、そんな楽しさがあって、最高のごっこ遊びなのかな。好きなキャラクターになりきって、好きなシーンを撮影して、それで思い描いていた一枚が出来上がったら言うことなしですよ!」

 

自身の中のおじさんな面と女性の面、その全く異なる2面性からコスプレを楽しんでいるなつめさん。これからも世のオタクなおじさんたちをさらに魅了していってもらいたい。

 

 

なつめ

 

Twitter:@natsumeg1

 

 




Writer

佐藤志郎

2010年に広告制作会社を立ち上げる。主要な取引先は通信販売会社であるため、得意分野はダイレクトレスポンス広告。


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