2020.09.03
【コスプレイヤー:もいもい】我慢し続けたから爆発したコスプレ人生
今回のインタビューが行われたのは8月・・・夏真っ盛り。暑い・・・涼がほしい。涼みたい。ちなにみ本日の気温は36℃。
頭の中が溶け始め、こんな状態で話など聞けるのだろうか・・・と不安がよぎる。涼だ・・・涼をくれ・・・。
と、そんな時に「こんにちは~!」と元気でハキハキ。熱量高ぶる声でいらっしゃったのがコスプレイヤーのもいもいさん。
・・・その涼が来ちゃったか。
8月の涼宮ハルヒと言えば・・・言わずもがなである。
両親に内緒でお年玉を握りしめ・・・
涼宮ハルヒで8月と言えば、ご存じの方も多いだろう。エンドレスなアレだ。まさかもいもいさん・・・全く同じお話を8回も繰り返しちゃったり、そんなおつもりですか!?
「いやいやいや(笑)今回、コスプレの話をさせてもらえるって聞いたので、思い入れのある一着にしたんです。実はこの衣装、私が最初に購入したもので・・・」
おぉ、そんなコスプレイヤーとして活動するきっかけになった記念すべき衣装を見せていただけるとは、光栄でございます!
「小学生の頃から女の子向けの魔女っ子アニメが好きだったんです。真似をしたりして遊んでいました。もちろんドレスもほしくて、やっぱり変身してみたいじゃないですか。それで母が衣装を縫ってくれたんです。ハルヒは小学校高学年頃に見たんです。とてもハマっちゃって、その頃からテーマ曲を踊ったりもしていました。小学校に上る前から高校生の時までクラシックバレエを習っていたので、踊るのは好きなんです」
なんと・・・本気で本気のバレリーナ。アニメを見ながら振り付けを覚えるくらいお手の物だったのだろうか。
「この衣装に出合ったのは中学生の時です。近所のアニメグッズを取り扱っているお店がコスプレ衣装も置き始めたんですね。これはチャンスだって、お年玉を握りしめて行って購入。ずっとコスプレしてみたいって夢が叶った瞬間だったんです」
とは言ってもまだまだ中学生。ご両親もかわいい娘が突然コスプレしだしたら、ちょっと不安じゃなかろうか。
「だから衣装はクローゼットの奥に隠していました。親がいない時を見計らって、内緒で部屋で着て楽しんでいたんです」
幼い頃に抱えていたコスプレ欲求を思い出しながら熱く語るもいもいさん。
高校生に上がってからも覚めやらぬコスプレ熱。しかし、生徒会長にまで任命されるもいもいさん。オタク資質は小出し小出しのくすぶる日々が続いていたという。
「体育祭の時の生徒会長の挨拶とか、進撃の巨人の「戦わなければ勝てない!」なんてセリフを真似たりしていました。その後、先生から「いい挨拶だった」って褒められてしまったのはいい思い出です」
確かに生死をかけて巨人と戦っている緊張感の中でのセリフ、それを体育祭で言ったら、熱さは最高潮だろう。
もう止まらない・・・でっかい空に後押しされたコスプレ
その後、大学に進学したもいもいさん。これでやっとコスプレを満喫できるのようになったのだろうか?
「いや・・・大学に入っても、悩み事が多かったりしてコスプレから離れていました。そんな時、オーストラリアに行く機会があったんです。あの空の大きさ、全部を吹き飛ばしてくれたんです。これと比較したら悩みなんて小さいもんだって。日本に帰ってからは、自分の好きなことを隠さない!精一杯やろう!って決めました。早速、友人たちとビッグサイトの同人誌即売会にコスプレ参加したりし始めたんです」
もいもいさんのコスプレ人生が開花した瞬間である。それからというもの、もいもいさんは「いつどこでなんのコスプレをどのように・・・」という記録を取り始めたそうだ。所謂、5W1Hである。
「1回コスプレをしてからは、もう止まりませんでしたね。1週間に1回くらいのペースで撮影していた年もあります。今日は143回目のコスプレをした日なんですよ」
まさに休日の全てを撮影に捧げたと言いっていいほどのペースだ。
「個人での撮影もありますが、友人同士でカフェとか古民家のようなレンタルスペースを借りて、料理を作ったりもしました。あとはアイドルキャラのコスプレをした人100人が集まって運動会とかとっても楽しかったです!」
何月何日に何のコスプレをしたかというのを全て記録。写真とともに見返すと、きっと感慨深いものがあるだろう。
やっぱりハルヒは晴天での撮影がよく似合う!
スケジュールって大切だ。修羅場レイヤーからのアドバイス
ただ、これほどまでに撮影が多いと、衣装は追いつくのだろうか・・・見たところ既製品ではなく一から作ったものもあるようだが・・・
「はい、私は修羅場レイヤーってやつです!って、自信満々で言えないですけど(笑)。あ、修羅場レイヤーっていうのは、イベントとか撮影日ギリギリまで衣装が出来上がってないコスプレイヤーで・・・。3日間で衣装を仕上げたこともあります。ほぼ徹夜で・・・」
うん、話を聞く限りスケジュールの大切さを再確認させていただけるお話、アリガトウゴザイマス。
「既製品の衣装は選ぶ楽しさはありますけど、自作だともっともっとこだわれる部分が出てくるので面白いですね。生地を売ってるお店をはしごしたり、原作のイメージにさらに自分が思うキャラっぽさをプラスしたり。世界に一つの衣装だから、思い入れも倍増します。ただ、これから衣装作ってみたい方へ、これだけは覚えておいてほしいってことが一つありまして・・・」
お??もいもいさんなりの心得的なやつだろうか?よし、ハルヒらしくビシッと決めちゃってください!!
「防毒マスク必須!!」
・・・え??
「小物を作る時に、Gボンドっていう超強力接着剤を使うことがあるんです。この中には危険な成分が含まれているので、換気とかマスクをして取り扱いに注意しないと大変なことに・・・。私、油断していて一度喉がやられちゃったことがあるんです」
な、なるほど・・・その成分を見たところ・・・納得。注意必須である。
防毒マスクとGボンド・・・コスプレイヤーさんの工作力には脱帽だ。
武器ももちろんお手製。100円ショップや家庭にあるものを駆使してアイデア勝負。
人との繋がりも感じられるコスプレ
そんなもいもいさんにとってコスプレとはどんなものか?と聞いてみたところ・・・。
「やっぱり心の安定ですかね。あとは繋がりの一つ。コスプレ写真・・・イラストもそうですけど、国の言葉関係なしで好きが伝わるじゃないですか。Twitterとかにアップして、見てくれた人が元気になってもらえると嬉しいし、逆に応援メッセージをもらえるとやる気になります。他にもコスプレをしている時にたまたま近くにいた母娘のお母さんから「娘と写真撮ってください」って言われたりもしました。コスプレをしていることも、小さな出会いに繋がっていくんだなって考えると素敵ですねよ」
確かに、もいもいさんがコスプレをしていたからこそ、こうして我々のインタビューを受けてくれたりもしている。一期一会の出会いを大切に、おかげさまでこれからもこのインタビューリレーをつなげていこうと改めて誓った。
これからも明るく楽しく勢いのあるコスプレ道を歩んでいってください!
もいもい : @mmooii95
Follow @doujinworld
Writer
佐藤志郎
2010年に広告制作会社を立ち上げる。主要な取引先は通信販売会社であるため、得意分野はダイレクトレスポンス広告。