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2020.10.07

【コスプレイヤー:むぎ】衣装製作こそが自分のコスプレ表現においての武器


Apex Legendsのレイスのコスプレでインタビューに答えてくれた。

 

 

コスプレイヤーと言うべきか、衣装クリエイターと紹介すべきか・・・悩む。なんでって?今まで我々はこのインタビューで、何人ものコスプレイヤーさんたちのお話を聞いてきた。その度に、衣装は自作が多い、あれも作るこれも自作!などと聞き、驚かされ続けてきた。コスプレって衣装製作から楽しめるものなんだね!と感動してきたのもの事実。

 

しかしね、今回のコスプレイヤーさん桁がちょっと・・・最初は聞き間違いと思ったさ。

 

天文学的製作数・・・まさかの三桁!?

もいもいさんからインタビューのバトンを受け取ってくれたコスプレイヤーもとい、衣装クリエイターといっても過言ではないほどの製作実績を持つむぎさん。一体、今までに何着くらい作ってきたんですか?

 

「はい、少なくとも300着は!!もしかするともっと作っているかも(笑)」

 

おぉ~・・・3・・・ひゃく??3じゅうでは・・・?

 

「いえ、コスプレを始めて11年になるんですが、今までのを全部合わせるとそれくらいになります!!」

え?まじで3ひゃくです?盛ってます?

 

「多いときは年間30着くらい製作していました。最初の頃のものは、今みたら衣装と呼べるのか?という拙いものですが、それも含めるとこれくらいになると思います。」

 


生地から小物まで、全てにこだわりとアイデアが詰め込まれている。

 

 

衣装作りでアドレナリンが分泌!!

確かに新しい衣装に袖を通す瞬間は心躍る。しかし、撮影などでほぼ毎回新作コスプレを用意しなくたっていいのではないだろうか。そんな素人考えが、我々の頭をよぎった。

 

「コスプレって言っても、いろんな表現の仕方があると思うんです。例えば、ある人はスタイルに自信を持っていて、本当にそのキャラクターのような体型を目指したり。スキンケアなどの美容を頑張るって人もいますね。そんな中、私は衣装なんです」

 


Yes!プリキュア5(ミルキィローズ):撮影/みなのさん(Twitter/@smart_rs700

 

なるほど、コスプレが世間に浸透してきた昨今、ただコスプレをするだけでなく「コスプレというジャンルにおいて、自分はどんな特技・武器を使って表現するのか」という時代になってきたということだろう。まさに文化の成熟期に差し掛かっているのではないだろうか。

 

「私が衣装って言った理由なんですが・・・SNSなどに自分の作ったものをアップしていたら「布選び素敵ですね」みたいに褒めてもらえたことがあったんです。もともと生地の素材にこだわることも多かったので、そう言ってもらえてとっても嬉しかった。そこから自分は衣装で表現しようって思い始めたんです」

 

しかし、そこまで作り続けていると家の中が衣装で溢れかえったりはしないのだろうか。

 

「はい・・・それでなくてもコスプレ衣装を作ってる時は、家の中がごっちゃごちゃになってしまうので。だから自分でルールを決めました。クローゼットから溢れたものは、処分するか譲る!だから、今手元には10着程度しかありません」

 

まさかの厳しい自分ルール・・・今までの290着の行方が気になる・・・

 

どろろ(百鬼丸)/撮影:アルパカさん

 

バンドやろうぜ!(鳳葵陽)/撮影:きつねさん(Twitter/@fox_yellow)

 

 

「でも、そういうルールをしっかり決めておかないと、私の場合、歯止めが利かなくなってしまうと思って。あと、最近は製作のペースをゆっくりにして、落ち着いた状態を保てるようにしているんです。昔はペースが早すぎて、1つ1つの製作が丁寧に出来なくて。今のペースにしてからより自分の実力を出せるようになったと感じます」

 


クローゼット大公開の大サービス!!とてもキレイに整頓されている。

 

おっしゃる通り、ただ作ることを目的としてしまったら楽しいものも楽しめない。

 

「作品が好きだからこそ、作れるわけです。時間も手間もお金もかかるから、それをただの作業としてだけでは到底できることではなくて。今まで作ってきた中で得た知識も必要ですが、半分以上は作品やキャラへの好きという感情をアドレナリンに変えて作っている気がしますね(笑)」

 

そんなむぎさんから、コスプレを楽しむ上で気を付けたいポイントを教えてもらった。

 

「コスプレって自分が楽しくてキャラが好きだからしてるんですよね。それを人と絶対に比べたらいけないと思うんです。衣装製作も同じ、どっちがどうなんておかしい話です。コスプレという同人があったとして、人生のどれほどを割けるかはその人次第ですから。私も正直、他の人の衣装を見て「すごいなぁ」と思うことはありますが、私は私、人は人。それを確立してから、もっとコスプレが楽しくなりました!」

 

なるほど、特にコスプレ衣装の製作はアイデア勝負の部分も多く、正解なんてない。その他人との違いすら楽しむことができれば、さらにコスプレ活動が充実することだろう。

キラッと!プリチャン(あんな):撮影/アシタカさん(Twitter/@ashitaka_photo

 

キラッと!プリチャン(だいあ)/撮影:アシタカさん(Twitter/@ashitaka_photo

 

 

個人で衣装製作の受注も開始!!

また、むぎさんは現在、衣装製作の受注も個人で行っているという。

 

「SNSでたまたま「こんな衣装作ってくれる方いませんか?」みたいな募集を見かけたんです。それで、私で良ければ~みたいに声をかけたんですよ。これが始まりでしたね」

 

たしかにむぎさんの自作コスプレクオリティで受注してくれるなら、希望者は右肩上がりに増えていくだろう。

 

 


衣装作りスペース。ファンシーな雰囲気で、写真を見るだけでもコスプレ熱が湧き上がってくる。

 

「今では「むぎさんだから作ってほしい」とか「むぎさんのセンスで」って言われることもあるようになりました。本当に嬉しいですよね。今まで一生懸命作ってきてよかったなってモチベーションが上がります。SNSでフォローをし合ってない方からも依頼もあったりもして。実は、もともと大学では服飾科を先行していたこともあったので、その経験が人の役に立って良かったです。あと、人の衣装を作るのは絶対に妥協できないですから、自分のスキルも磨けますしね」

 

最後に海外のコスプレイヤーに向けて、衣装製作のアドバイスをもらったぞ!

 

「日本には百円均一という何でも100円ななんでも屋さんがあります。でも・・・海外だとどうなんでしょう。ただ一つ言えるのは、何をどう使えるかなって柔軟に考えることが大切かもしれません。例えばネジ一つにしても無限の可能性がありますから。そんな自由な発想こそ、コスプレの醍醐味の一つですよ!」

 

 


むぎさんが手掛けた衣装、細部までの作り込みに驚き。

 


このクオリティだからこそ「むぎさんに作ってもらいたい!」という声が絶えないのも納得。

 

●むぎさん

 

Twitter:@m_65087

 

Instagram:mokoto273

 

むぎさんの衣装受注サイト:mugimugioreo.wixsite.com/rinlin

 

 

 




Writer

佐藤志郎

2010年に広告制作会社を立ち上げる。主要な取引先は通信販売会社であるため、得意分野はダイレクトレスポンス広告。


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