2020.11.11
【コスプレイヤー:養田和裕】最終的には飲みニケーション!!
コスプレイヤーへ驚きの道程
まさに異例・異色の経歴??元・自衛官で現・俳優のコスプレイヤーである養田さん。その経験とコスプレイヤーとなるまでの道程は、一般人な我々には到底想像もできないものだった。
「人生、サバイバルみたいなもんですよ。例えば・・・食経験ですかね。被災地支援を想定して、どんな準備ができるか。全く食料がない中で、何を胃に入れればいいのか・・・そんなことを自分なりに実践して、動物が食べられるものなら大丈夫!みたいな結論を出したりね」
ちょ、いきなり重そうな話を軽めにぶっこんでこられた!!養田さんは自衛官時代、極限の事態を自ら体感すべく、話を聞いたところまぁ笑うしかないわみたいな、周りの自衛官さん達もびっくりするような特訓をしていたそうだ。
地面と同化した養田さん。これが本物のスナイパーの目か・・・
「自衛官の後は、その体験を活かして防災コンサルみたいな仕事をしていました。その時、もちろん人前で話すんですけど、もともとアガリ症なんです。で、これはマズイなぁと思って克服するためにエキストラの仕事を始めたんですよ」
これが養田さんのコスプレイヤーとしての転機になろうとは、本人も思ってはいなかった。
「元自衛官ですから、イベントでミリタリーコスプレをしてみないか?って話をもらったんです。その頃、GATEっていう自衛官が主役のアニメがあって。これは俺がやらねば!即答でしたね。 コスプレする題材が自衛隊だけに、身だしなみや迷彩服の着こなしだけは全力でやってやろうと」
まさに波乱万丈の人生も語ってくれた。
生きることに必要な力は叩き込まれている
その時に知り合ったコスプレイヤーの先輩たちに仕込まれに仕込まれた養田さん。ついに自らの意思でコスプレをするようになる。
「たまたま知ったフリーゲームで旧軍服みたいな格好をしているキャラクターが登場するものがあったんです。ひと目見てカッコいいキャラクターデザインだなと。で、実際にゲームをやってみてもおもしろい。最初のコスプレはこれでいこうって決めました。あまり知られていないマイナーな作品っていうのも自分に合っていたんだと思います」
進撃の巨人 ミケ・ザカリアス(撮影:COZY/Twitter:@cozy1215)
しかし、有名作品以外のコスプレ衣装はなかなか手に入らないのが現実。ここでも自衛官としての経験が役立ったようだ。
「ミシンを使ったりアイロンを掛けたり、勤務の中でやっていたんでそこそこ裁縫はできたんですよ。だから作品と似た軍服を取り寄せてアレンジしました。ただ、化粧だけはどうにもならなかった・・・何を買えばいいのかわからなかったし、化粧品コーナーに立ち寄るのだって恥ずかしかったですから」
更衣室間違えた!?初・コスプレイベントでの衝撃
また、最初にコスプレイベントへ参加した時の衝撃はまだ脳裏に焼き付いているようだ。
「初めて入った薄暗い更衣室・・・メイクがのっているのかのっていないのか焦ったり・・・で、横を見るとキレイな女性が下着姿になっている。・・・え!?え!?ここ男用の更衣室??間違えてる??って焦って、よく見ると女性じゃなく男性だったり・・・もう混乱しまくってました(笑)」
そんな養田さんだが、経験を重ねた今は慣れたもの。コスプレするキャラクター選びも徐々に変わっていったそうだ。
「当時はやっぱり自分が好きなキャラに着目してしまってましたね。それが次第に、作品の中から自分の骨格とか外見に合うのは誰かなって考えるようになったんです。中でもマイナーなキャラを選ぶことが多いですね。結構、併せとかで重宝してもらえるんですよ」
東京喰種 四方蓮示(撮影:CrossFive)
一歩踏み出す勇気を持とう!!
人生、何があってコスプレデビューをするのかわからない。少しでもやってみたいと思ったら、踏み出す一歩が大切だと養田さんは話す。
「最初はクオリティを気にしなくたっていいんですよ。衣装を着て化粧してカラコン入れて、一歩踏み出すと世界が変わる。勇気を出してイベントに行けば、参加者の人たちはキャラクターとして接してくれるから、それが本当に嬉しく感じるはず。そして、もしコスプレデビューしたら自分を褒めてあげることも忘れちゃいけない。一歩ずつ着実に前進していこう!」
おぉ、心強いお言葉。それに背中を押され、養田さんはコスプレ沼に何人も引きずり込んでいるという。
「みんな楽しんでくれるんですけど、ただやっぱり女性コスプレイヤーは注意しなきゃいけないことも多いじゃないですか。そのキャラクターが好きでダイエットを頑張ったりスキンケアをしたり、努力の結晶なわけです。それを下心だけで見る男性が少なからずいて・・・沼に引きずり込んだ側として、しっかりガードしなくちゃって思いますね」
元・自衛官だからこそ・・・心強すぎる。
新世紀エヴァンゲリオン 加持リョウジ(撮影:ゆめかわけい/Twitter:@kei_yumekawa)
トリアエズナマが世界基準の合言葉
こうした養田さんのコスプレ活動においてのリーダーシップは、コミックマーケットのような同人誌即売会でも発揮される。その対象は・・・そう、海外からの参加者だ。
「海外から日本のコミックマーケットにまで足を運んでくれるって、愛がスゴイじゃないですか!本気で作品やこういう文化を愛してくれているんですよ。だから、せっかく来てくれたんだから日本のおもてなしをしないとって思うわけです。つまり、飲みニケーション!これもう世界レベルで必要じゃないですかね?コミケで仲良くなって、そのまま日本の居酒屋に招待して、で・・・「トリアエズナマ」って言葉を覚えてもらう」
・・・あながち間違っては・・・いない??
飲みニケーションもトリアエズナマも、ひとまず置いといて・・・作品への愛は養田さんのおっしゃる通りだ。異文化交流を一つの文化を通して実践する・・・こうした世界を巻き込んだ同人がどんどん広がっていけばいいと願う。
荒川アンダーザブリッジ シスター(撮影:TAMAKI YUKIHIRO/Twitter:@abios_2004)
●養田和浩
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Writer
佐藤志郎
2010年に広告制作会社を立ち上げる。主要な取引先は通信販売会社であるため、得意分野はダイレクトレスポンス広告。