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2020.11.13

コスプレにかかるお金の話

 

 

「でも、コスプレってお金かかるんでしょう?」

 

 

筆者がコスプレ未経験者にコスプレの話をすると、必ずと言っていいほどこのセリフが飛び出してくる。普通の服より明らかに手がかかっている衣装、現実離れした色と形のウィッグ。相当な費用をかけているように見えるのも十分わかる。

 

今回のテーマはズバリ「コスプレにかかる費用」である。実は、先ほどの問いかけに簡潔に答えることはこの上なく難しい。その理由を一緒に紐解いていこう。

 

※この記事で記載する商品の価格は筆者が独自に調べたものであり、日本国内の店舗や日本向けの通販サイトにて日本円で購入する場合となります。消費税や送料は価格に含めておりません。

 

 

実際、どれくらいかかるの?

コスプレに欠かせないアイテムは挙げればきりがないのだが、今回はなりきり要素の大部分を担う「衣装」と「ウィッグ(かつら)」について実例を挙げながら紹介していこう。

調達手段は大まかにこの3つの方法に分けられる。

 

  • 業者製の商品を買う
  • 自作する
  • 製作オーダーを依頼する

 

 

・業者製商品

Amazonなどの大手通販サイトや、コスプレアイテム製作業者の通販サイトでキャラクター風の衣装・ウィッグを注文する方法だ。

 

~衣装~

服部分だけでなく、防具や髪飾りなどもセットになっていることが多い。

・簡素な衣装(制服・私服など)  …概ね2000~9000円台

・装飾が多い衣装(変身衣装・アイドル衣装など)  …概ね5000~15000円台

 

~ウィッグ~

キャラウィッグ(あらかじめキャラクターの髪型にカットされているウィッグ)を購入する方法が一般的だ。

・鬼滅・ラブライブなどの人気作品  …概ね1000~2000円台

・その他…毛の長さやヘアスタイルにより …概ね2000~4000円台

 

作品やキャラクターが人気であるほど、衣装やウィッグを扱う業者が幅広く存在する。「鬼滅」の炭治郎や禰豆子、「FGO」の主人公やマシュ、「リゼロ」のラム・レムなど、大人気作品キャラのコスプレ衣装はウィッグ付きで5000~7000円台で購入できる場合もある。ただし、衣装自体のクオリティーは値段相応であることも多い。例えば、とあるコスプレ衣装業者で禰豆子の衣装が26000円台で発売が予定されているが、これは版権元の監修を受けた商品で、全体のシルエットや着物の柄が忠実に再現されている。安さを取るか、質を取るか。業者選びひとつでも、選択肢はかなり広がってくる。

 

 

・自作

~衣装~

布を購入し衣装を1から作ったり、既製品の衣服に装飾を足してリメイクする方法だ。

筆者の実例を挙げると、

 

★学生服一式の場合

布から手作り   :ベスト・ネクタイ…材料(布・装飾品)約1500円

既製品リメイク:ブラウス・ブレザー・ズボン …本体約6500円+装飾品約1000円

 

合計=約9000円

 

価格だけで業者製商品と比較すると、作った方が安い…とはなかなか言い切れない。布から手作りする場合の費用は抑えられているように見えるが、縫製にミシンを用いる場合はその購入費用も勘定に入れることになる。

 

 

~ウィッグ~

コスプレウィッグ専門店の実店舗や通販サイトでコスプレしたいキャラに近い色と長さのウィッグを買い、自分でカット・セットを行う。

専門店によって価格帯が幅広く、

首の付け根までのショート丈…1500~3000円

背中が隠れるロング丈…2500~5000円

程度が一般的だ。

 

 

自作の利点は

 

・業者が取り扱っていないキャラクターのコスプレができる

・通販やオーダー商品の完成を待たずにコスプレができる

・好みの色や材質の布・ウィッグを使えたり装飾品を吟味できる等、自分のこだわりを落とし込める

 

ことなどだ。材料選びに自分らしさを織り込み、自力でコスプレアイテムを製作することは、同人活動としての楽しみの一つとも言えるだろう。

 

 

・オーダー

衣装・ウィッグ製作を専門とするプロに依頼して、自分専用のアイテムを作ってもらう方法だ。

筆者や知人の実例を挙げると、

 

~衣装~

・海外のオーダー受注業者に依頼する場合

…安価な業者・水着等の簡素な衣装で8000円程度

 

・国内の個人サークルに依頼する場合

…サークルごとの価格設定、衣装のデザイン、材料費等により30000~150000円程度

 

~ウィッグ~

・美容院のスタイリストに依頼する場合

…美容院ごとの価格設定・オーダー内容により ウィッグ本体代+カット・セット代5000~数万円程度

※特殊な加工・動物の耳等の製作等で更に製作費がかかる場合あり

 

業者製商品や自作と比べて桁違いに費用がかかることは一目瞭然だ。しかし、プロの技術にお金を払っていると考えれば納得の価格ではないだろうか?コスプレしたいキャラの衣装やウィッグが売っておらず、自作するには技量や製作時間が足りない。しかし製作費を用意できれば世界に一つだけのハイクオリティな品をゲットできる。オーダー依頼の為の資金を貯めることもまた、コスプレへの愛情表現の形かもしれない。

 

 

実際に製作されたオーダーウィッグ。あまりにも自然な毛の流れ、まるで本物のケモ耳!これがプロの技だ。

 

 

コスプレ愛=かけたお金…?

ここまで紹介した通り、コスプレアイテムを揃えるための手段や費用の価格帯は実に幅広い。読者の貴方は「やっぱりコスプレってお金かかるんだ…」と思ったかもしれないし「意外と手が届く範囲でやれるものだな」と思ったかもしれない。そう、「お金がかかる」と考える趣味の範囲は個人の価値観によって異なる。一概に断言することは難しいんだ。

 

これだけ多種多様な選択肢があるのだから、安っぽい衣装だから愛がないとか、お金をつぎ込んだからすごいコスプレだとか、そんな考えも生まれるかもしれない。でも筆者が思うに、コスプレへの想いの深さはかかった費用で推し量れるものではないんじゃないだろうか。レイヤーそれぞれ境遇もコスプレしたい理由も違う中で、自身の身の丈と理想に叶った方法を選ぶ。そしてコスプレを思いっきり楽しめたなら、きっとその人にとってオンリーワンのコスプレ体験になり得るのだろうと考える

 

 




Writer

KAMOMI

管理栄養士にしてコスプレイヤーの新人ライター。得意分野はコスプレを主とするオタク文化、食物・栄養関連。


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