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2020.11.25

【アニソンDJ:おーたけ】オタクは好きなものに糸目はつけない

 

 

重低音が鳴り響く世界の扉をちょっと開けると・・・

 

私は正直、夜の街は怖い。なんだか重そうな扉とコンクリートの壁の向こうから響いてくる重低音・・・ズッドンズッズッドン

 

クラブ。あああ・・・夜な夜な男女がくんずほぐれつ踊り明かしているのだろう。うぇ~い!YoYo!!みたいな感じなんだろう。自分みたいなもんが一歩でも足を踏み入れようならば・・・考えただけで恐ろしい。

 

「いや・・・かけているのはアニソンなんで・・・」

 

 

ということで登場してくれたのはおーたけさん!関東~関西圏を中心に活躍しているアニソンDJだ!!

 

 

手作りコスプレダンスパーティーが全ての始まり

如何にクラブだろうと・・・アニメミュージックがかかっていれば、きっと同志たちが多いに違いない。そして、こんなおーたけさんのようなお方がDJならば、怖くない!!けど、ある意味怖い!!

 

「今だとアニクラっていうのがあるじゃないですか。昔はダンパって言うのがあったんですよ。コスプレダンスパーティーの略ね。今でこそ、実際のクラブイベントとして成り立っていますけど、当時は公民館でカセットテープやお菓子を持ち寄って開催なんて当たり前でした」

 

アニソンDJとして活躍するまでの軌跡を語るおーたけさん。

 

おーたけさんは、コスプレやアニメが市民権を獲得し始める少し前の時代の話を教えてくれた。

 

「本当に手作りでパーティーが開催されていたのが1990年代。あくまで関東の話なんで、他の地域はよくわからないですがね。そこから2000年代に入って、企業が開催するケースが増えてきたんです。今でこそクラブですけど、有名ディスコでコスプレしたり。そんなところに通っている内にオタク友達が増えてきたんです」

 

ちなにみ、おーたけさんのコスプレ歴はなんと25年だと言う!!

 

「ダンパに行くためにコスプレはじめましたから。コミケも東京ビッグサイトではなく晴海で開催されていたことから参加していました。でね、コミケに合わせてオールナイトのクラブイベントがその頃あったんですよ。今はもうなくなってしまったんですがね・・・」

 

機材の前に立つ時は真剣そのものだ!

 

 

オールナイトイベントが中止・・・だったら自分で!!

徹夜で同人誌を作り上げ、全力で頒布し、全力で飲んで全力で踊り狂う。それが当たり前の時代だったそう。

 

「ある年、たまたまそのクラブイベントが開催されなかったんです。残念でしたね。やっぱりコミケに参加して、その後にコレがなきゃ終われないって感じだったんで、だったら自分で開催してやろうとDJをすることを決心したんです」

 

思い立ったらすぐ行動・・・オタクは好きなことを実現するためなら後先考えたらいかん!!それを体現してきたおーたけさん。

 

メイド風衣装のおーたけさん。

 

今の時代のDJはターンテーブルはもちろんPCも駆使している。

 

「そう、オタクは好きなことに糸目をつけないんです!DJセットを購入し、そこからひたすら練習し続けました。師匠的な人もおらず、全て独学。それでもなんとか、決意してから半年後には会場を借りてイベントの主催を始めたんです」

 

行動力に脱帽だ・・・しかも、開催して楽しむことを第一に考えたオタク根性に敬意を評したい。

 

 

イベントは赤字でもいい・・・それが自分の同人だ

「イベント代はもちろん赤字ですよ。チケット代だけでペイできるわけがないですからね。ただ、それでいいんです。自分がやりたくてやって、しかも少なからずお客さんも来てくれましたし。初回でも80人くらい集まってくれたので、万々歳です」

 

そんな自分発信のイベントを定期的に開催していく内に、面白いDJが面白いイベントやっているぞ・・・と噂は伝播していく。

 

「1年に2回くらいのペースでイベントを主催していたら、うちのイベントにも出てよって声がかかるようになってきました。ただね・・・イベントで唯一不評だったものがあるんです」

 

自分の裁量でイベントを開催していると、お客さんの不評不満もダイレクトに耳に届くのだろう。ところで・・・それは一体?

 

「男装です」

 

???

 

「ほら、いつも女装じゃないですか。だから、たまに男装とか普段着でDJをすると「なんでだよ!!」って言われるんです・・・」

 

DJだけでなくVJ(ビジュアルジョッキー)としても活躍中!

 

有名なアニソンばかりかけるわけでなく、選曲は会場の熱や客層、曲のつなぎ方もしっかり考えられている。

 

 

女装に隠されたハートフルストーリー

う、う~ん・・・言われてみればクセになるようなおーたけさんの女装姿。これ見たさに参加する人も多いのだろう。でも、なぜ女装を?

 

「今から20年くらい前でしょうかね。旧友がですね、実家に帰るって言い出したんです。それはもう、気軽に会えないくらいの距離。もしかすると2度と会えないかもしれない・・・だから記念になることをしてあげたいって思いまして。で、見送りの時に彼が好きだった女子高生格闘家キャラクターのコスプレをしたんです。それが思いの外、ウケにウケて(笑)。それからはほぼ女装です!」

 

なんとハートフルなストーリー。

 

アニソンDJを目指したいキミへ!!

しかしまぁ、女装はともかくとしてDJができるのは素直にカッコいい!!挑戦してみたいけど、やっぱりターンテーブルとかは必要なのだろうか。

 

「いや、今はレコードやCDを回している人なんて少ないですね。PCとちょっとした機材があれば誰でも環境は作れます。敷居は低いので、あとは練習あるのみ!!ぼくも毎日練習して機材に触るよう心がけています。ちなみに、アニソンDJなんで曲をストックしておくことも忘れちゃいけません。アニソンだけで3万曲くらいはPCに入っていますね」

 

えええっ!?アニソンだけでそんなに曲数あるとは!?と驚いていたら、多い人はもっともっとストックしているそう。

 

なんだかだんだんかわいく思えてきた・・・

 

「アニソンDJは一生続けていたいですからね。でも、最近はこのスタイルを受け継いでくれる人がいたらなって思うこともあります。技術はないですが、イベントとかをサポートしてあげたりしたいですね」

 

インタビューを読んでアニソンDJを目指したいと思った諸君・・・おーたけさんの弟子になるなら、今がチャンスかも知れないぞ!!

 

 

●おーたけ

Twitter:@ohtake1971

 

 




Writer

佐藤志郎

2010年に広告制作会社を立ち上げる。主要な取引先は通信販売会社であるため、得意分野はダイレクトレスポンス広告。


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