2021.01.27
【添え物系コスプレイヤー:皐】主役を立たせる最高のエッセンス
今までのインタビュー史上、もっとも重い内容になりそうだ。主役を食らうご飯を食らう・・・いや自分こそが添え物であると豪語するコスプレイヤー皐さん。以前お話を聞かせてもらったかるこげんさんの紹介である。
と言うか・・・添え物系ってなんなんすか!?見る限りじゃ、メインデッシュだよ!!!
【にじさんじ】ユードリック(カメラマン:朮°」レ于─二はちこ/@hachico_cos)
「いえ、自分は添え物っす。添え物系コスプレイヤーです」
え・・・?だってさ、まぁオブラートに包んだ言い方でも巨漢なわけよ。成人二人分が1人に凝縮されたボディの持ち主なわけだ。
添え物系を名乗る理由とは?
「どの作品を見てもそう、必ずデブキャラっているじゃないですか。スラッとしたイケメン主人公、かわいいヒロイン。それらを立たせてるものって何か・・・?」
ハッ・・・モブキャラだ。
「そう、モブキャラの存在があるからこそ、彼らは主人公なんです。そして、デブキャラは主人公たちの旨味を最大限に引き出すエッセンス。例えば、イケメンコスプレイヤーの隣に自分がいたら、作品の世界観としてのクオリティが上がる。そこを目指しての添え物系コスプレイヤーを名乗っています」
【ハリーポッターシリーズ】ハグリッド(カメラマン:にゃん相学/@nyansou)
ううむ・・・なるほど。例えば、モブキャラではないがONE PIECEで言えばルフィに対してのジンベエなどもそうだろう。ただし、そんな主人公の引き立たせ役が主役になることもあるという。
【ONE PIECE】デマロ・ブラック(カメラマン:坂本コウルド/@kourld)
【ONE PIECE】マーシャル・D・ティーチ(カメラマン:坂本コウルド/@kourld)
「ONE PIECEに登場するルフィの偽物、デマロ・ブラックというキャラクターがいるんですよ。まぁ、ルフィ本人とは似ても似つかない、自分みたいな体型なんですけどね。以前、ハロウィンのONE PIECEコスプレコンテストで、そのキャラクターのコスプレをしてエントリーしたことがあったんです。邪道も邪道なので、入賞は無理だろうなんて思っていたのですが、なんと・・・来場者の方々から熱い票をいただき準優勝でした!!」
脂肪がつないだ熱を共有できる仲間たち
すげぇ!!!脂肪も極めれば名誉となる。筋肉だけが正義じゃないということが証明された。また皐さんの肉体は、受賞という結果だけではなく『仲間』というかけがえのないものの架け橋にもなっているという。
「もともと人見知りで、いわゆる陰キャというやつなんです。話しかけるのなんて当然苦手ですしね。でも、この体があったおかげでデブキャラコスプレができて、イベントなどで話しかけてもらえることも多いんです。天然物の脂肪ですからね、デブキャラをやるのって何枚も着込んだりしたって、やっぱり無理がある。でも、自分ならどんなデブキャラにも挑戦できる。それで分かる人には分かるマイナーなキャラとかやったりすると、その作品が好きな人からどんどん話しかけてもらえるんですよね」
【STEINS;GATE】橋田至(カメラマン:TAMAKI YUKIHIRO/@abios_2004)
なるほど、どんな作品であれ主人公をはじめとしたメインキャララクターのコスプレをしたい人は多い。逆に、本物のデブキャラができる人材は貴重だ。そして、それを潔く武器しにしていると公言できる人間性にも惹かれるものがある。
デブキャラコスプレの開拓者
「今の世の中って、コスプレがとてもしやすい時代だと思うんです。ウィッグも衣装も買いやすくなりましたしね。でも、それだけでデブキャラになるのは難しいんですよ。衣装自体が少ないですしね。あ、ただ・・・自分サイズにまでになると、衣装は基本的にフルオーダーなんですけどね・・・」
そう、皐さんの衣装は当然ながらオーダーになる。天然物のボディに加え専用の衣装・・・これを隣に添えられるコスプレイヤーさんは、なんとも贅沢な気持ちに浸れること間違いなしだ。
【Fate/Grand Order】韓信(カメラマン:わたあめ/@cherry__bonbon_)
「デブキャラはあまり誰もやりたがらないってのもあるので、自分がその壁を壊していこうっていう思いもあるんです。だから、まだ誰もやったことのないキャラクターは即衣装を発注して挑戦しています」
まさにデブキャラフロンティアスピリットである。なんかもう・・・尊敬の域に達する。
【Fate/Grand Order】ゴルドルフ・ムジーク(カメラマン:黄八/@A88_Ofnir)
「デブこそ自分の強みですからね。これからもデブキャラ一筋でやってきますよ。このインタビューをつないでくれたかるこげんさんとも話すんですが、彼の強みは筋肉なんです。そして自分は贅肉。まさに柔と剛の組み合わせ。これって最強だなって言い合ってます」
そんな肉体を強みしている皐さんではあるが、実は自己評価は低いとのこと。
「この体のおかげで併せに呼んでもらったりってことがあるのも事実。普通、メイクを練習したり細かいところまで頑張ってる。自分は腹っていうもともと高い下駄を履かせてもらってる部分があるので、そこは謙虚にいかないといけないな、とは思いますね」
かわいい?キレイ?笑ってほしいのに高評価!!
そんな添え物として活躍を見せる皐さんだが、思わず主人公になってしまうこともあったと話す。
「以前、コミックマーケットでセーラーマーズのコスプレをしたんですよ。正確に言えば、セーラーマーズのコスプレをしている安藤なつさんという芸人さんのコスプレ。この体型のマーズがいたら笑ってくれるかなって思いからだったんですが・・・同じくマーズのコスプレをしている小さな女の子がですね・・・目をキラキラさせながら手を振ってくれたんです。私もマーズだよ!!って。夢・・・壊しちゃいけないじゃないですか。だからそっと逃げました」
【モンスターストライクのTVCM】安藤なつさんのセーラーマーズ(カメラマン:TAMAKI YUKIHIRO/@abios_2004)
しかし、そんなマーズがTwitterなどで予想以上に好評となり、ウェディングドレスで女装しての撮影も実施することになったというのだ。
【メイプル超合金】安藤なつさんのウェディングドレス(カメラマン:かどま/@kadoma_photo)
「かわいい、キレイって反応を見るたびに困ります・・・笑ってくれ・・・」
自分の体をデブキャラを極める男・・・皐さん。これからも健康的なデブを目指し、突き詰めていってほしい。
【紅の豚】ポルコ・ロッソ(カメラマン:ふみっき/@camera_net)
【紅の豚】ポルコ・ロッソ(カメラマン:タスク/@tusk_0v0)
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Writer
佐藤志郎
2010年に広告制作会社を立ち上げる。主要な取引先は通信販売会社であるため、得意分野はダイレクトレスポンス広告。