2021.04.02
アンケート企画!「創作派オタク」の実情 中編
前回の記事はこちら
絵師さん、物書きさん、コスプレイヤーさん等様々な二次創作の表現者の方々の実情に迫る本企画。なんと3部構成でお届けする運びとなりました。
創作派オタクの皆さんの活動理由や表現方法についてお伝えした前編。中編は同人活動を行う中で生まれる感情にフォーカスしていきます!
※以下、コメント末尾()内の作品名は回答者の方の活動ジャンルです。
創作活動の中で、どんな時に喜びや楽しさを感じますか?
この質問は、こちらでご用意したシチュエーションから答えを選んでいただきました。
①自分自身で満足のいく作品がつくれたとき
②他の方と協力して満足のいく作品がつくれたとき
③作品を世に出せたとき(SNSや動画サイト、現地イベントなど)
④作品を他の方に見てもらえたり感想をもらえたとき
⑤作品が他の方の手に渡ったとき(有償・無償問わず)
⑥作品がメディアで紹介されたり賞をもらえたとき
⑦自身の作品を見た方が活動ジャンルに興味をもってくれたとき
⑧創作活動を通して活動ジャンルのファンと交流できたり友人をつくれたとき
さて、90名の回答者の皆さんの答えは…?
ご自身の手で作品を生み出せたことの純粋な嬉しさ、その作品を同じ世界の誰かに楽しんでもらえた喜びは特に多くの方々が実感しておられるようでした。また、自分の作品がきっかけで原作ファンが増えること、創作活動がファン同士の交流の足がかりになることから生まれるやりがいも大きいようですね。
選んだ理由やエピソードもたくさん語っていただきましたよ!
『アニメなどの表現をコスプレという3次元で表現するのはとても難しい為、工夫をして加工無しに表現できた時は凄く達成感を感じる』(20代女性 ポケモンなど)
『被写体あっての撮影活動なので、1番は被写体(コスプレイヤーさん)も自身も納得出来て、作品への愛が表現出来ていることに重きを置いています。カメラマンは人と協力しないと作品ができないので、いい意味でオーディエンス含めて人を巻き込めたときの快感がほしくて活動しているところもあります。』(30代女性 チェンソーマンなど)
『海外の方からのリプライを頂いたときは、作品自体のグローバルさに感動しています。』(20代女性 HUNTER×HUNTER)
『キャラクター布教同人誌を作った際に、そのキャラを詳しくは知らないという層の方に手に取ってもらうことができ、改めて良さを知れたという感想をたくさんもらえた時は作成してよかったなという気持ちになれました。』(20代女性 ボーカロイドなど)
『あなたの作品で○○に落ちました(ハマりました)!は最大の賛辞だなと思います。』(30代女性 呪術廻戦)
『自己表現というより作品の感想を二次創作で行い、それについて共感できるファンとの交流を楽しんでいます。』(20代女性)
『コスプレしていなければ物書きさんや絵師さんとも知り合っていなかった。何も生み出さない消費者なだけと何か創作活動している人だと接し方や絡みやすさが違うと思う。』(20代女性 Fate/Grand Orderなど)
創作活動の中で、どんな時に大変さを感じますか?
*とにかく「足りない」!
『遠方に住んでいる為、イベント遠征費がバカにならない』(20代女性)
『納期が辛いです 精神と時の部屋が欲しい』(20代男性 東方など)
『好きなジャンルが多く、並行して二次創作する時間と体力がないのが大変。体力作りをしようとなるとSNSをほとんどしなくなってしまうのも悩みどころ』(20代女性 魔法使いの約束など)
『小説は、紙にプロットや流れを下書きしないと物語を書き起こせない性質なので、時間と場所を用意しないと動き出せないことが多いです。生みの苦しみというより、生む準備段階で苦しんでいる感じです笑』(20代女性 ガンダム00など)
『家事や子供の世話があり何か思いついてもすぐ机に向かえず、書きかけのまま忘れてしまったり時間が経って鮮度が落ちて(自分自身で)面白くなくなってしまうことが多いです。社会生活をしながらコンスタントに作品をつくっている友人たちはみな神様のように感じます。』(40代女性)
圧倒的に『時間が足りない』との声が多数。仕事や学業に勤しむ日々で、原作を楽しむ時間を確保しながら創作活動までできる方、実はすごいエネルギーをお持ちなのではないでしょうか。
*理想と現実のギャップ
『頭の中で作りたい物がたくさんあるのに形に出来ない事のもどかしさです。』(30代男性)
『衣装作りで、妥協したくない気持ちとうまく作れない葛藤で泣きたくなる。』(20代女性 ヴァイオレット・エヴァ―ガーデンなど)
*ネット社会の発達故に…
『SNSのように大勢の人たちがいる場ではどうしても他人の作品と自分の作品を比較してしまい落ち込んでしまうことがあります。』(20代女性 ダンガンロンパシリーズ)
『好きなジャンルや知っている人達で何か炎上したり、悲しいニュースがあると残念な気持ちになったり、表現活動のモチベーションが下がったりするので苦しいです。逆の場合ももちろんありますが、作品やジャンルを「好きにならなきゃ良かった」と思いそうになる瞬間は、いつでも辛いです。』(20代女性 鬼滅の刃など)
楽あれば苦あり。大変なことがある中でも作品生み出したいという気持ちが裏づいているからこそ、その一つひとつが輝くのかもしれません。
次回もお楽しみに!
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Writer
KAMOMI
管理栄養士にしてコスプレイヤーの新人ライター。得意分野はコスプレを主とするオタク文化、食物・栄養関連。