2021.06.23
【コスプレイヤー:ひとえ】コスプレは心のサプリメント
癒やしじゃなくて超絶パワーをもらえた日
このインタビューってさ、当たり前だけど1回1回が重いのよ。濃いし重いしクッタクタよ。はぁ・・・なんとかパワーを分けてもらえるような人はいないだろうか。癒やしてほしいの。我々を癒やしてほしいのよ・・・。
そんな感じで嘆いてる時に、我社に来てくれたコスプレイヤーのひとえさん。「こんにちは~」なんて涼しげな声が響き渡る。うんうん、今回は重くなさそうだ。ふぅ、安心・・・とか思っていたら・・・
「大丈夫、私が来た」
【僕のヒーローアカデミア】オールマイト(カメラマン:cozy/@cozy1215)
オーーーールマイトオオオオオオォォォ!!!!うんうん、確かにパワーくれそうだけど、これまた濃いっ。
【僕のヒーローアカデミア】オールマイト(カメラマン:cozy/@cozy1215)
全剃りに次ぐ全剃り・・・え?女性っすよね?
「すいません、メイクに時間かかちゃって」
声とメイクのギャップ!!!今回、ツッコミ疲れる。よし、早速気を持ち直してインタビュー開始!!と思った時、とあることに気がついた。ひとえさん・・・眉毛・・・は?
「え?全剃りですよ?」
はああぁ???この前さ、眉毛落とした男性コスプレイヤーさんのインタビューをした時、それはそれで驚いたわけさ。男女平等な世の中とは言え、やっぱり眉毛は女性にとって大切じゃん?死活問題じゃん?
「あと、髪もモミアゲから後ろにかけてしっかり刈り上げたりすることもありますね。ツーブロックみたいな。毛があるとウィッグとかテーピングとかに不便なんです」
待て待て、言ってる意味はわかる。ただ、日常生活としてわからん。
【スーサイド・スクワッド】ジョーカー(カメラマン:雅鬼/@gaki_photo)
「仕事は、幸い在宅ワークなので問題ありませんでした。あと、普段のメイクは眉毛全書きです。メンズのキャラとか、例えば目と眉がつながっている絵柄のキャラクターとかのコスプレをする時に楽なんですよね。私の周りには、けっこう剃ってる人多いですよ」
なるほど、まさに類友ってやつだ。それにしても最初から潔くゾリッと剃れたのだろうか。
「いや、一番最初は断髪式のように、やるぞっ!!って気合を入れました。それまでは眉毛ありでコスプレしていたんですが、パテとかで埋めても不自然に残ってしまうのが許せなかったんです」
【僕のヒーローアカデミア】心操人使(相澤消太:独丸/@DokuMaru0630a、カメラマン:せーヤドン/@saint_arrow_pht)
二次元を三次元にするのではなく、自分を二次元に近づける
何人ものコスプレイヤーさんから話を聞いてきた我々、中には例えば「アニメキャラが現実にいたらを考える」という人もいた。しかし、ひとえさんの場合は全くの逆に思える。キャラを三次元化するのではなく、自分を二次元に近づけているような・・・
「たしかにそう言う感覚はあるかもしれません。でも、それだけだとお絵描きっぽいメイクになってしまうんです。やるからには平面ではなく、二次元を立体するイメージでメイクするようにしています」
【ハイキュー‼】木兎光太郎(カメラマン:独丸/@DokuMaru0630a)
しかしまぁ、見れば見るほどご本人とのギャップがすごい。顔の陰影のメイクとか、どういう過程で今にたどり着いたのか想像もできん。
「このオールマイトのメイクは、海外の本当に彫りの深い男性の写真を見てイメージを作っていたんです。どういう影ができるのかな?とか考えて、二次元に寄せていきました。以前は、病的にガリガリな体型になればリアルに頬がコケるじゃん!とか思ったことがありますよ」
すとーーーーーっぷ!!健康だからコスプレも楽しめる。眉毛以上に大切なものを失ってはいかん。
【ゴールデンカムイ】鶴見中尉(カメラマン:夕弥/@YuYa03ks)
インパクト大なメイクをするようになったきっかけ
そもそもなんでひとえさんはここまでインパクト大のメイクを施すようになったのだろうか。
「もともと自分の顔にコンプレックスがあったんですよ。だから元の自分を殺してキャラになりきりたかったんです」
なるほど、もっとキレイになりたい可愛くなりたい、こんな愛せるキャラクターになりたいという願望ではなく、自分そのものを変えたいが始まりなのか。
「だから、今では女の子のコスプレをする方がハードル高いですね。女性らしさとか元の顔のパーツを活かしたりするのがわからなくなってしまいます」
【ニューダンガンロンパV3】真宮寺是清(カメラマン:OKaZaKi/@kiyo1217)
【進撃の巨人】ピーク・フィンガー
そんなひとえさんだが、人と併せで撮影する時も、今のようなメイクなのだろうか。
「そうですね、できるだけ作画が近い人と撮りたいなって思うんですよ。例えば同人マンガを描く人でも、それぞれ絵柄が違うじゃないですか。一枚の写真に収まるなら、そんなイメージでメイクの方向性がにている人を探して併せをしてもらうようにしています」
・・・正直、いるの??と疑いたくなるが・・・
「いますいます(笑)。私が主催したゴールデンカムイの大型合わせでは、40人くらい集まってくれて、そのうち男性は2名くらい。でも、その女性たちがみんなおじさんになるんですから。変身の可能性の幅が広がったように感じました」
【ゴールデンカムイ】土方歳三(永倉新八:ぴーやん、カメラマン:ぽに/@m_h_m_pn)
【ゴールデンカムイ】インカラマッ
男の娘ならぬ女のおじさんの集団・・・想像を絶する。
コスプレはストレス解消にも最高!!
また、ひとえさんのコスプレを始めたきっかけも教えてくれた。
「劇団にも所属していて、それがきっかけでもともとコスプレを少しやっていたんです。また以前に、コスプレ体験ができるスタジオでメイクを担当していたことがありました。そこでは海外の人も遊びに来てくれていて、彫りの深い方を幼女っぽくしたり、いろいろ経験を積ませてもらったんです。こうした流れの中で、自分のメイクの方向性やコスプレ表現がどんどん変わっていったんですね。コスプレはストレス解消にもなりますし、メイク療法という言葉もあるくらい違うものになるのは心を癒やしてくれるんです」
ほ~!!なるほど、コスプレは心の健康にも良いということか!!
【スーパーダンガンロンパ】左右田和一(カメラマン:雅鬼/@gaki_photo)
「今までは、おじいちゃんにもなったし幼女もやったし、アンドロイドメイクも勉強したし、次は何になろうかなって考えただけでも楽しいですよね」
元の自分は殺して・・・と言ったひとえさんだが、コスプレを続けることで元の自分も好きになることができたという。コスプレって万能だ!!次回の大変身も楽しみにしている。
●ひとえ
Twitter:@z1hitoe
【僕のヒーローアカデミア】オールマイト
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Writer
佐藤志郎
2010年に広告制作会社を立ち上げる。主要な取引先は通信販売会社であるため、得意分野はダイレクトレスポンス広告。