2022.04.27
【コスプレ動画クリエイター:たけくる】コスプレイヤーと時間軸の作品を創造する
一瞬を切り取るのがカメラマンであるなら、時間を操るのが動画クリエイターだと言える。作品の持つ世界観、キャラクターが纏う個性・・・これを「静」ではなく「動」としていかに魅せていくのか。
あぁ、なんかカッコいいぞ!動画!!というわけでお話を伺ったのは、コスプレ動画クリエイターのたけくるさんだ。
あるキャラクターの追っかけダヨー
「今でこそコスプレイヤーさんを撮らせてもらってますが、最初は違ったんですよ」
と切り出されたたけくるさん。動画を撮り始めたきっかけはなんだったのだろうか。
「もともと初音ミクさんをデフォルメしたミクダヨーさんというキャラクターの追っかけだったんです。昔、お台場のテーマパークにミクダヨーが出現する!というイベントがあって、見に行ったんですよ。その時に、集まったいわゆるミク廃ではなくダヨ廃の方々は当然カメラを構えて写真を撮っていたんですね。その中で一人だけ、動画を撮る人を見つけたんです」
当時はまだまだ映像制作が一般的ではなかった時代だ。
「ダヨーさんがお台場のスペースを練り歩く・・・写真より動画の方が楽しいんじゃないかって、その時に私も思いました。スマホでダヨーさんの動画を撮影してYouTubeにアップしたら喜んでくれる人も多くて」
ちなみにたけくるさんが名乗っている『MKDY FILM WORKS』はミクダヨーの頭文字が由来とのこと。
画クリエイターとしての運命の出会いが訪れる
たけくるさんの『コスプレ』動画クリエイターとしての転機、それが2015年池袋ハロウィンが開催された日だ。
「ダヨーさんの動画を撮り始めて、機材もスマホからミラーレス一眼カメラに変わってしばらくの時でした。池袋でミクダヨーさんが街を歩くというイベントがあることを知ったんです。これは撮るしかない!と思って、当然出かけましたよ。その日、たまたま池ハロと重なっていたんです」
コスプレイヤーや仮装した人々が街中に溢れかえる日。ふと、たけくるさんの食指が動いた。
「ついでにコスプレイヤーさんを撮ってみようかなって見に行ったんですよ。やっぱり動画を撮る人はいなくて、スタビライザーを抱えてる自分はけっこう目立ったのかもしれません。本当にたまたま海外のRescue the Princess!というYouTubeのチャンネルを動画クリエイターに出会えたんです。アナタも動画撮るの?って話しかけてもらえて」
写真家は多くても映像家がいるのは珍しい。仲間意識のようなものだろう。
「また本当にたまたまなんですが、その年の冬のコミックマーケットでも会うことができたんです。日本語も少し通じるので、動画クリエイター仲間ができたって喜んでもらえて。あの出会いがなかったら今の自分はないです。今までダヨーさんばかりでしたし、人間を撮ることってそんなに興味がなったんですが、やってみると本当にたくさんの撮り方があって。Rescue the Princess!を見るだけでも勉強になりました」
コスプレ動画クリエイターとしての活動
時代とともに動画が世の中に浸透・・・コスプレイベントにおいても同時にコスプレ動画の存在が認められてきた。
「以前は動画禁止でないイベントでも注意されることがあったり、コスプレイヤーさんに動画は作品にした時の補正が不安だからとお断りされることもありました。でも、徐々に動画が一般的になってきたり、機材も安価で手に入りやすくなってきて、写真カメラマンから動画にチャレンジしてみようって人も増えてきたんです」
撮影中の風景
それでもなかなか動画クリエイターが増えていかないそうだ。
「写真と動画では、やはり撮り方も違うみたいで。コスプレイヤーさんにポーズをとってもらって、カメラを固定して~ってだけだと、自分で思い描いていた映像は生まれないんです。やっぱり動きと時間ですね」
写真とカメラ、同じ一眼レフカメラを使って、同じレンズを用いたとしても、撮り方が違うそうだ。
「超広角レンズで被写体の周りをドローンのようにぐるっと回ったり、中望遠レンズで後ろを大きくぼかした状態で移動しながらの撮影など、動画は立定的な多層構造として考え、クイック&スローモーションで時間軸も変化させていかなくてはいけません」
撮影中の風景
なるほど・・・この「時間」の撮り方が写真とは全く違うのだろう。
「だからイベントでの動画撮影は難しいんですよ。前もって何を撮るか、どう撮るかの準備ができないので。コスプレイヤーさんを撮る時は、台本のようなイメージを用意して内容をすり合わせることが重要ですね」
拡散したいコスプレ動画の奥深さ!
さて、最後にこの記事を読んで我々としてもコスプレ動画クリエイターが増えてくれることを願っている。たけくるさんも同じ気持ちだろう。
「いや~、自分がいい作品を撮れたら、満足なんで(笑」
え・・・??動画仲間が増えたりとか・・・そういうのは望んでないのだろうか。
撮影中の風景
「そうですね~・・・やりたい人がいたらなんでも教えますよ。ほら、この電動とアナログのスタビライザーの違いはですね・・・あ、カメラ持ってるんですね。オートフォーカスで撮ってます?動画でマニュアルフォーカスにするとですね・・・BGMはこのサイトを使うと月額・・・動画作成サイトのおすすめは・・・」
ちょ・・・自分が~とか言いながら、ツンデレか!!聞けば聞いた以上に動画作成を120%レクチャーしてくれるたけくるさん。動画愛が止まらなかった。
●たけくる
Twitter:@huskymoto
Instagram:take.kuru
YouTube:Mkdy Film Works
たけくるさんのこだわり!アナログのスタビライザー
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Writer
佐藤志郎
2010年に広告制作会社を立ち上げる。主要な取引先は通信販売会社であるため、得意分野はダイレクトレスポンス広告。