2020.08.27
【カメラマン:cozy】作品の世界観を現実にする一枚
迷わず撮れよ、撮ればわかるさ
このDoujinWorldのインタビューシリーズで何人ものコスプレイヤーさんに話を伺う機会をいただいてきた。その度に忖度なしで「本格的だなぁ、かっこいいなぁ、うつくしいなぁ」なんて感動させてもらっている。しかし、インタビュー場所は会社の事務所やレンタル会議室のような場所ばかり。なんか申し訳ない。だって・・・せっかくのコスプレを活かしきれてない気がするんだもの。しかもしかも・・・写真がド素人。う~ん・・・やはりDoujinWorldとしては撮影スキルを高めつつ、機材を取り揃えておくべきだろうか。
そんな悩みを抱えていた時、以前のインタビューで紹介させてもらったさらみさんに凄腕カメラマンを紹介してもらったぞ。cozyさんだ。
あの~・・・私たち、コスプレイヤーさんたちを美しくかっこよく撮りたいんですが・・・
カメラとの出合いを語ってくれたcozyさん。
「そんな構えないで大丈夫ですよ。私も最初はカメラのことなんて全然知りませんでしたから。以前・・・10年くらい前ですかね。勤務していた会社の慰労会でたまたまデジタル一眼レフを使って記念撮影をしている社員がいたんです。それを見て自分もやってみたいって思ったのがカメラを始めたきっかけですしね」
カメラってかなり敷居の高い趣味だと思うんですが・・・そんな気軽に!?
「何も知らなかったからこそ簡単に始めちゃったのかもしれません。最初に買ったカメラはペンタックスの入門機。今でこそ、一眼レフはレンズを交換して~とか当たり前ですけど、始めた当時はそんなこと全く考えてなくて。ただただレンズとセットになっているものを買えばいいか~とかそんな感じでした」
なるほど、やはり素人同然の我々がカメラを始めるには「迷わずとりあえずなんか買っちゃえ★」みたいな軽いノリがいいのかもしれない。買ってしまえば引くに引けない・・・しかし、カメラって専門用語も多そうで・・・。
「いいんですいいんです。私も全くわかりませんでしたよ。カメラを触ってるとISOとかF値とか、そんな用語がいろいろ出てきはしますが、そこらへんも触っていく内に自然と独学で覚えられます。まずは撮って楽しむことから始められたらいいんじゃないでしょうか」
ポートレートとコスプレ写真の違い
独学で一からカメラを覚え、今では多くのコスプレイヤーさんたちから絶大な信頼を得るにまで至ったcozyさん。だが、実はコスプレを撮りたいと思っていたわけではなかったのだと言う。
「最初は景色やポートレートをよく撮っていました。SNSとかで写真撮らせてくださいってモデルさんを募集したりしていましたね。そんなことを続けていたらライブカメラマンのお仕事をもらえるようになったり。ただ、本業は全く別なんですけどね」
ではなぜcozyさんはコスプレを撮るようになったのだろうか。
cozyさんがコスプレを撮るようになったきっかけとは?
「このインタビューでも紹介していたさらみさんから撮ってほしいって連絡をもらったんですよ。もともとポートレートを撮っていた頃の知り合いだったんですが、今から2年前くらいですかね。久しぶりに連絡があったと思ったらコスプレって。私は、もともとアニメは好きでしたがコスプレには興味がなかったんです。コミケとかも行ったことはなかったですしね」
我々カメラ素人からするとコスプレ撮影もポートレートも「人を撮る」という意味では、そこまで大きく変わらないという印象を受けてしまうのだが・・・そこにはかなりの苦労があったそうだ。
「ポートレートは人をいかにキレイに撮れるか。あくまでも人がメインの写真なんです。でもコスプレ撮影って、今まで100人近くのコスプレイヤーさんたちを撮らせてもらって私なりに感じたことですが・・・周囲の環境まで全てが作品として重要なんですよね。光の加減や向き、小物まで、現実の世界に存在しないものを存在するように見せる。アニメやマンガ、ゲームなどの世界の1コマをうまく切り取れるかが大切なんだと思っています」
仕上げはPhotoshopでファンタジーを現実にする
確かにファンタジーの世界では、現実世界では有り得ないモノも多いし、物理法則でさえ超越する。それをまるで本当にそこに存在するかのような一枚を作り上げるには、カメラ以外の技術も必要だそう。
「やはりスタジオで撮影する時は仕上げとしてPhotoshopを使うことも多いです。例えば小物を宙に浮いているように見せたり、肌の色を変えたりもしますね。コスプレイヤーさんたちは、撮影前に衣装を手掛けたりするのが最も忙しくて大変だって聞きますが、カメラマンはその逆。撮影後にパソコンを使って調整するのが最も大変かもしれません。1枚に数時間かかることもありますしね(笑)。ただ、コスプレ写真を撮るのにPhotoshopが必須なわけじゃないので、使ったことがない人も安心してください。例えばイベントなどの会場でそのまま撮影するなら、そこまで大幅に加工したりする必要はありません。本気で加工するのは、コスプレイヤーさんと「こういう作品にしたいね」と話し合ってスタジオを決めて、それからで構わないと思うんです」
1枚のコスプレ写真において、もちろん主役はコスプレイヤーさん自身ではあるが、カメラマンさんは影の主役と言ったところだろう。これから作品を目にする方は、ぜひ人物以外のカメラマンさんの技にも注目してもらいたい。
モデル:HIKARUさん Twitter:@tv_hikaru
モデル:霧野さん Twitter:@cos_Kirino
モデル:ゆしちゃん Twitter:@yuchichann314
cozy
Twitter:@cozy1215
Instagram:cozy1215
Follow @doujinworld
Writer
佐藤志郎
2010年に広告制作会社を立ち上げる。主要な取引先は通信販売会社であるため、得意分野はダイレクトレスポンス広告。