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2020.09.09

【コスプレイヤー:としる゛】コンニチハ新しいジブン

その扉を開けちゃったら、もう戻れない

新しい世界って、思ってもみない時に扉が開くもの。きっかけなんてどうでもいい。それがたとえ、女装コスプレだったとしても・・・

 

登場してくれたのはとしる゛さん。主にVOCALOIDの初音ミクさんのコスプレイヤーさんだ。あ~・・・おれも新しい扉開きそう・・・そんな誘惑に負けそうになる。だって、KAWAIIは正義じゃん?

 

それにしてもなんで、男性なのにミクさんを?VOCALOIDには男性キャラクターだってたくさんいるのに。

 

「初音ミク V4X」のパッケージビジュアル衣装。

 

「本当に何気ないきっかけなんですよ。別にコスプレをしたかったわけじゃないんです。ただ、あれは学生時代でした。たまたまクラスで面白いことないかなぁなんて話していたんです。真面目に授業を受けてるだけじゃ物足りない・・・なんかやろうぜ!って。それで僕が発案したのが、全員でじゃんけんして負けたら学校でコスプレ生活だったんです」

 

コスプレしながら授業に出る・・・クラスの中でたった一人・・・先生がクラスで「お~い、席につけ~」なんて言いながら入ってきたら青天の霹靂だろう。もうこのとしる゛さんのストーリー自体が出落ちで、なんとなく先の展開が読めてきたのだが・・・

 

「いや、僕は最下位じゃなかったんです!最後から2番目でギリギリ免れました。VOCALOIDなら誰でも知っているし、その中でも有名な初音ミクさんを選んだんです。負けた人はでかいと言うか巨漢と言うか・・・だったんで5Lサイズを注文しました。でも、前は閉まらず袖を通せばミチミチと布の悲鳴が聞こえてきて、結局入らなかったんですよ」

 

まさかの5Lでも入らない人に初音ミクさんの衣装を着させようとは・・・鬼か。でも、その衣装はただの買い損?

 

「それはもったいないってことになり、罰ゲーム繰り上げ・・・最後から2番目は僕で、しかも言い出しっぺで・・・なにも言い逃れできませんでした」

 

あぁ・・・運命の女神様の悪戯と言うべきか・・・としる゛さんは、その5Lの衣装を着て学校で過ごすことになってしまったのだという。

 

「そんなきっかけから初めてコスプレをしてみたんですが、これは楽しい!って気付いて。そこからは勢いでコミケにコスプレ参加して、そこでも知り合いがどんどん増えて撮影会などにも参加するようになりました。世界が広がったという感じですね。」

 

初めて衣装に袖を通した時の高揚感、迷いは捨てたーという感じだろうか。人間、一度スイッチが入ってしまうと止めるのは難しいものだ。としる゛さんは以降、どっぷり初音ミクさんの世界に浸っていくことになる。

 


初音ミクさんのリズムゲームに収録されている衣装「ロッキンストーン」。

 

 

なければ作ればいいだけだ!裁縫に性別は関係ない

「コスプレするまでもVOCALOIDは少しは聞いていた程度だったんですよ。でもコスプレするようになってからは、なんというか自分なりのこだわりも出てきちゃって。ミクさんの衣装で気に入ったものが売ってないってなると作るしかないという思考になるわけで・・・」

 

今までこのインタビューでたくさんのコスプレイヤーさんに話を伺ってきたが「なければ作る」というのは当然の理なのだろう。真理というやつだ。

 

「最初は本当に苦労したんです。インターネットで調べてみたりしてもさっぱりわからないし。装飾を付ける向きとか間違えちゃったり失敗続きでした。でも、コスプレ仲間たちに教えてもらったりしながらちょっとずつ上達していったんです。たまにみんなでSkypeを繋いで、衣装制作会をしたりもしているんですよ。無言でミシンの音だけが鳴り響くみたいな・・・(笑)」

 

最初はただの悪ふざけのようなものだったコスプレが、本物となって羽ばたいていく・・・なんかかっこいい気がする。

 

「今まで作った衣装は28着です。ほとんどがVOCALOIDですが、アプリゲームのアークナイツやグランブルーファンタジーのコスプレもありますよ。実は2年前、ニューヨークで開催されたミクエキスポにも仲間たちと行ってきたんです。向こうでコスプレをするために、行きの飛行機の中でも衣装を作っていました。日本人のコスプレイヤーは合計4人くらいだったので、けっこう目立ちましたね。だから現地の方から話しかけられることもあって、Twitterとかで繋がったりできたのが良い思い出です。いろいろ大変でしたが「ミクさんにどこまでもついていく!」って誓った旅になりました」

 

ミクエキスポinニューヨークでもコスプレして撮影!

 

ニューヨークに行ったことで、海外のミクさんファンとの繋がりもできた。

 

 

初音ミクさんが生活の一部になっていく

海を超えるほどの羽ばたき・・・恐れ入る。ただ、以前は「少しはVOCALOIDを聴く」程度だったとしる゛さんが、なぜここまでの熱量を持つことができたのだろうか。

 

「う~ん、たぶん曲を聴いてるだけだと、動画を視聴していてもぜいぜい1~2時間くらいだったんですね。それに「ながら~」にもなっちゃいますし。でも衣装を作っていると、仕事が終わって疲れてる時も休みの日も、没頭しちゃうんですよ。少しずつ完成が見えてきて、早く着たいってワクワクが止まらないんです。自分が自由になる時間の全てが自然とミクさんに染まっていくんです。結果・・・こうなりました(笑)!」

 

なるほど!とは言ってみたものの、わかるようなわからないような・・・でもきっと、自分の好きなものが好きを通り越して生活の一部になるのであれば、それがオタクというものなのかもしれない。最後に、今のボカロシーンについてとしる゛さんなりに思うことと言えば・・・?

 

雪ミク2017の衣装。幻想的な一枚だ。

 

「初音ミクさんが登場してから10年以上が経って、そこで一度ピークは迎えたのかもしれません。でも、この外出したり人に会いにくかったりする今のような時ほど、VOCALOIDって輝く文化なのかもという気もしています。「VOCALIOD初音ミク」という音源を使って自分なりの表現を作ってみたりする、それが新しい自分に出会うきっかけになる。そういうものだと思うんです。僕も音楽は作れませんがソフトは持っています。たまに喋らせる程度なんですが・・・ただのパソコンソフトがみんなの初音ミク像になり、それぞれ使い手の「うちのミクさん」になっていく。世界に誇れるVOCALOID、もっともっと盛り上がっていけばいいですね」

 

インタビューでも着てくれた衣装。スターヴォイスというコスチュームだ。

 

 

Twitter

 

としる゛: @pridewolf_

 

 





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