🇯🇵
🇯🇵

2021.04.03

【イラストレーター:夏じるし】乾きを潤してくれたのはファンの声

 

 

宝石のような光を感じるイラスト

己の色ってあるじゃん?どんな活動をするにせよ、突き詰めれば突き詰めるほど、その人なりのカラーが生まれてくる。特にそれを感じさせるのって、イラストじゃないだろうか。

 

今回ご紹介する夏じるしさんも、そんな個性全開なイラストレーターさんだ。といっても、インパクト絶大ってわけじゃない。なんというかこう・・・クリスタルなんだ!!

 

「え?(笑)」

 

いやいや、本当にクリスタル感がすごいイラストです。光加減の色彩が特に印象的!

 

【ファンアート】エヴァンゲリオン/アスカ

 

「ありがとうございます、おっしゃる通り光と影色にはこだわっているんですよ。線画を描かずにSAIってアプリケーションの水彩境界を使っています」

 

そう、夏じるしさんのイラストには縁取りのような黒線がない。絵心がない我々はどれだけスゴイのが、はっきり言って理解を超えるのだが・・・きっとスゴイ!!!

 

 

美術大学に進学し、専攻したのは・・・

しかし、夏じるしさんのイラストの水彩感と光沢感、どれほど練習すればこの境地にたどり着けるのだろう。

「う~ん・・・絵は幼稚園とか小学校から描くのが好きだったんですよ。マンガのキャラの模写とかもしていましたね。それから同人を描き始め・・・古の腐女子です(笑)」

 

おおお・・・いきなりそんな爆弾投下されると切り返しに困ります。

 

【ファンアート】FGO/キリシュタリア

 

「それから多摩美術大学に進学して日本画を専攻しました」

 

まじか!!!あの噂に聞く多摩美(たまび)ってやつか!!!それにしてもなんで日本画??というか日本画って水墨画とかだろうか。

 

「岩絵具という砂のような絵の具を使って描くんです。実は私もよく知らなかったんですよね。受験は水彩でしたし、油絵と比べて画材が安そうだなって印象だったんです。でも全くそんなことはなく、瑠璃色は本物の瑠璃、ラピスラズリを砕いて作っているんですよ」

 

ええええええ!!??宝石丸ごと絵の具にするって、日本画おそろしい。しかし、今でこそイラストレーターとして活躍中の夏じるしさんだが、もともとは画家志望だったのだろうか。

 

【ファンアート】ジョジョの奇妙な冒険

 

「それが違うんです。格闘ゲームが好きで、どうしても就職したかったんですね。それで、ある雑誌を読んだ時にその会社の人が「美大でデッサンを学んできた人が有利」って言っていて。だから美大に進学したんです」

 

なるほど、美大と言えど進路先は実に様々というわけだ。

 

【ファンアート】FGO/アルトリア

 

 

夢を叶えたはずなのに、乾きを感じる

卒業後は見事に某ゲーム開発会社へ就職。その後、イラスト制作会社を経て、フリーランスとして独立されたそうだ。そして様々な案件を受ける中、何か乾きのようなものを感じるようになっていったという。

 

「お仕事をいただけるのは本当にありがたい話です。でも、私の絵が誰かの心に本当に届いているのかわからなくなってしまったんですね。例えば、以前Skeb経由で海外の方から『Fate/Grand Order』の花魁姿のキャラを描いてほしいと頼まれたことがあるんです。それを実際にカタチにしたら印刷して額に飾ってくれた写真を送ってくださったんですよ。私の絵が誰かの生活の中に溶け込んで、少しでもうるおいとか豊かさを感じてもらえる。これ以上の幸せはないなって、それ以来お仕事は個人中心に受けるようになりました」

 

きっかけとなったコミッション【ワシントンのashleighさんよりご提供】FGO織田信長

(Tweet:https://twitter.com/cantbuymelove9/status/1276702449693163520

 

確かに、企業案件は担当に喜んでもらうために描くわけではない。しかし、個人であれば作品が好き、キャラが好き、夏じるしさんのイラストが好き、と繋がりがダイレクトである。ちなみに、こうした個人がイラストレーター個人に有料でイラスト制作を依頼することをコミッションと呼ぶ。

 

コミッションチラシ

 

【泡々さんよりコミッション】空の境界_式

 

【いちまさんよりコミッション】うみねこのなく頃に

 

「去年の『Fate/Grand Order』のイラストコンテストで賞を頂いたんですね。こうした嬉しい出来事も、コミッションを頼んでくださった方が一緒に喜んでくださって、それがとても印象に残っています」

このように喜びをファンと共有できるのもコミッションの魅力の一つと言えるのだ。

 

カルデア放送局5周年SP生放送事前放送より引用

 

また、夏じるしさんへのコミッションはイラスト一枚絵だけに限らない。下のようなジャージのデザインも受けているそうだ。

 

【山本貴大さまよりご依頼】FGOスカサハジャージ

(Tweet:https://twitter.com/rosin2/status/1362657331260006401?s=21)

 

【山本さまより】ジャージ用元絵FGOスカサハ

 

 

自分でデザインしたVtuberは、まさに子供

夏じるしさんへの依頼は、イラストだけにとどまらない。なんとVtuberのモデルデザインも手掛けているそうだ。

 

「依頼者さんと一緒に、どんなキャラクターにするか探っていくんです。まずヒアリングを徹底しますね。例えば、頭に飾りを付けたいって言われたら、webカタログを見たりしてどんなものがいいのかを二人三脚で考えていきます。中の人・・・なんて言ったらいけないのかも知れませんが、中の人と一緒にこれから生まれるVtuberのためのプレゼントを買っているような、ショッピングみたいな感覚です」

 

そこまで感情移入するなんて・・・Vtuberが実際に配信デビューした時は、まさに母鳥の心境ではないだろうか。

 

夏じるしさんがデザインしたVtuber(左:草野カエデ、右:橙木とうか)

 

「Vtuberデザインのお話は、海外からもいただいたことがあるんですよ。日本の裏側、ブラジルから見積りくださいって。ただ、日本と物価が違うので成約にはなりませんでしたが、ここまでしてくれるのかって驚いてくださいました」

 

やはりイラストが素晴らしいからこそ、日本人だろうがブラジル人だろうが、人種も言語も超えて伝わるのだろう。

 

夏じるしさんの制作環境

 

また、夏じるしさんはグッズ制作も依頼も受付中だ。

 

「グッズを作るのも好きなので、ファンボックスのリターン品としていろいろ用意させてもらっています。早く今のコロナ禍が落ち着いて、早く同人系のイベントなどを痛マスクでぷらぷらできるといいですね」

 

そう、人々の気持ちが沈みがちな昨今・・・早く夏じるしさんのイラストのようなキラキラ輝く毎日が訪れることを心待ちにしている。

 

【ファンボックスリターングッズ】どどりあさんより提供

 

【ファンボックスリターン品】痛マスク

 

 

●夏じるし

 

Twitter:@natsu_illust

 

Skeb:skeb.jp/@natsu_illust 

 

pixivFANBOX:wonderq77.fanbox.cc 

 

※pixivFANBOXとは、クリエイターの創作活動を応援するためのファンコミュニティ。ファンがクリエイターを定期的に支援することにより、クリエイターが新しいコンテンツ創出に挑戦できる場を提供している。有償でpsdファイルが配布されていたり制作裏話が聞けたりと、ファンにとって垂涎ものの特典が待っていることもあるぞ。

 

タンブラー:夏じるしぽーとふぉりお (tumblr.com)

 

【凪さんよりコミッション】FGOマルタ

 

【台湾のBofanさんよりコミッション】Cinkai先生オリジナルキャラ

 

【ゆお様より】アズールレーン_フォーミダブル

 

【ナニコロさんよりご提供】コミッション

 

 

 




Writer

佐藤志郎

2010年に広告制作会社を立ち上げる。主要な取引先は通信販売会社であるため、得意分野はダイレクトレスポンス広告。


  • 読み込み中...

Related Posts