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2021.04.10

【マンガ家:藤山はるいち】創作活動は文化祭の前夜祭

 

 

 

イラストを通じた文化交流

同人活動は表現活動。そして表現活動は創作活動でもある。そんな創作活動を続けてきた結果、プロのマンガ家としてもデビューした藤山はるいち先生にインタビューさせてもらったぞ!

 

「そう、もともとは同人やってましたね。今、日本ではTwitterで作品を公開するのが主流かもしれませんが、以前は海外版のpixivみたいなdeviantARTというサイトに投稿していたんです。それから数年経って日本ではpixivやTwitterが盛んになり始めて、活動の場を移して、そこに『機巧童子ULTIMO』というマンガの同人作品をアップしていました。実は、スパイダーマンやX-メンでも知られるスタンリーさんが原案を手掛けている作品で、海外からの注目度が高かったみたいなんです」

 

きっかけとなった機巧童子ULTIMIOファンアート

 

海外のオタクは日本のオタクより飢えている・・・という話もある。はるいち先生の同人作品は、アメリカのオタク女子のかっこうの的になったようだ。

 

「感想が突然、英語で送られてきたんです。当然、英語なんて話せるわけもなく、かろうじて英検を持ってる程度なので、deviantART時代を思い出しつつなんとかやり取りをしたんですが・・・結局、言葉じゃないんだなってことがわかりました」

 

???言葉以外で何で通じ合えばいいというのか・・・?

 

「それはイラストです。実はですね私、腐女子なんですが・・・あ、もちろん百合だって男女カプだって大好物ですけど、ひとまずそれは置いといて。腐女子というのは世界中にいるわけです。好きな作品のカップリングのイラストを載せるだけで、伝わるんです。それがあって、私を含む合計4人のチャットグループに招待してもらい、絵で文化のコミュニケーションを楽しませてもらいました」

 

おっしゃっていることは、わからないでもない。海外から見たらまだまだ希少な腐女子仲間だ。しかも、それがオタク文化の本場日本の、しかもものすごく上手にイラスト・マンガを描ける腐女子だとすれば、海外腐女子は放ってはおかないだろう。

 

初めての商業ギャグマンガの表紙_はるいち先生は「嬉しかった!」とコメント

 

以前夏コミで出した自主制作オリジナルドラマCD_宣伝ホームページ

 

コミケや書店委託・Amazonなどで流通販売させているオリジナルドラマCDとノベルティ_2時間もあるそう

 

「ちなみに、日本だとカップリングは『○○○×○○○』って表現されることが多いんですが、海外だと『/』を使うんですよ。『○○○/○○○』って」

 

なんだが、インタビューを繰り返すほどに腐女子知識が蓄えられていく我々。いつかこれを披露するときがくるのだろうか・・・

 

 

 

創作活動を始めたきっかけとは?

ところで、はるいち先生の創作活動はいつから始まったのだろう。

 

「う~ん、幼稚園からですかね。アトリエに通わせてもらっていました。その頃から絵を描くのが好きでしたし。で、小学生の時には、マンガの絵を練習するようになったかな。中学の時は、授業中に先生の似顔絵を描いたりして、それがバレて没収されたことも思い出です。ちょっと嬉しそうだった先生の顔は今でも忘れられません」

 

確かに、生徒が授業中とは言えど自分の似顔絵を上手に描いてくれていたら、なかなか叱りにくいかもしれない。

 

「美術部にも入っていたんですが、文化祭のポスターで初めて最優秀賞をいただきました。その流れで、高校は美術系に進んだんです」

 

中学1年生の時のデッサン

 

中学生時代に作られたポスター

 

しかし、高校一年の時、せっかく進学できた高校を長期間休むことになる。

 

「半年くらいですかね、学校に行けない時期がありました。でも、今でも付き合いのある友人が家から連れ出してくれたんです!!」

 

そのご友人の一言が、はるいち先生の人生を左右したのだ。

 

「同人誌作るから、一緒にやろう!!・・・突然のそんな言葉に、驚きつつも同人誌制作が始まったんです。高校二年になると、周りは仲の良い友人に囲まれることができて・・・同人って楽しい!!って思えました」

高校生にして同人活動の楽しさを味わったはるいち先生、さらに創作意欲が湧き出したそうだ。

 

「本を作ったから、今度は映画を撮ろう!!文化祭で上映しよう!!ってことになったんです。自分で脚本を書いて監督をして・・・思えば、それが今のバイタリティーにつながっているんだと思います」

 

ギャグマンガ本文

 

 

 

マンガだけではなく、様々な創作に挑戦

そう、創作活動は単純に楽しい。楽しいのだ。それが一人ではなく、同じ志を持った仲間となら、より一層である。

 

「誰かがこんな事を言っていました。ずっと文化祭の前夜祭をやっていたいって。創作活動って本当にそんな感じ。誰かとものを作ることって楽しいですよ!!マンガだけではなくて、もっともっと色んなことができるように、今も勉強の真っ最中。動画作成に挑戦したり、3Dモデリングの学校にも通わせてもらっています」

 

はるいち先生の作業場、キレイに整頓されている

 

はるいち先生の作業場、猫がかわいい

 

 

藤山はるいち先生の最新作は、マンガで学ぶ??

そんな創作活動が大好きなはるいち先生の新作マンガが先日発売になったそう。なんでも、理科の参考書のマンガだというが・・・

 

「今まで、マンガで学ぶ教科書みたいのっていくつもあったじゃないですか。でも、今回のは本当にマンガです!!」

 

マンガなら苦手分野も楽しく学べる!

 

 

 

 

 

とのこと。う~ん・・・勉強嫌いな我々は、正直、その手の教科書・参考書に幾度となく裏切られてきたんですが?

 

「ですよね?だって、今までのものってマンガの割合が少なかったですから。でも、これは違います。マンガです!!勉強に必要なのはマンガだったんだ!!って言えるくらいのマンガですよ」

 

なんと・・・そこまでマンガを押されると、もう一回ちゃんと勉強してみようかなって気になってくる。そんな作品を世に送り出し、一段落したはるいち先生。これからはちょっと一休み?

 

「いえ、休むことができるっていうのも、人それぞれ適正があると思うんです。私は、布団に入っててもインターネットを見てても飽きちゃって・・・他の人と一緒に積極的に創作活動を末永く楽しく続けていきます!!」

 

 

●藤山はるいち

 

Twitter:@hfzz

 

webサイト:https://www.haruichism.com

 




Writer

佐藤志郎

2010年に広告制作会社を立ち上げる。主要な取引先は通信販売会社であるため、得意分野はダイレクトレスポンス広告。


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