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2021.04.21

【フォトグラファー:ガイト】カメラの中だけでできることを突き詰める

 

 

みんな大好きPhotoshop!!

コスプレ写真を撮影するコスプレイヤーさんやカメラマンさんは、きっと一度はお世話になったことがあるはずなPhotoshop!いやぁ、合成やなんやらいろいろできるし便利でスゴイ!!ほら、この写真を見てくれよ!!

 

モデル/桜(@ruunasakura

 

モデル/桜(@ruunasakura

 

 

 

と思っていたら、カメラだけで完結?

撮影したのはカメラマンのガイトさん。現実ではありえないものを上手いことテクノロジーを駆使して写真にする技術、すごいっす!!

 

「いや、これ合成じゃないんですが・・・」

 

は??またまた御冗談を。どう考えても加工しまくり写真じゃないですか!

 

「確かに、肌のレタッチとかはしてますが・・・それだけですよ」

 

え・・・?

 

「それ以外は、全部カメラの中だけで完結させてます」

 

ま・・・まじか・・・?

 

「まじです」

 

というわけで、カメラマン改めフォトグラファーといっても過言ではない撮影技術を持つガイトさんにインタビューを敢行だ!!

 

モデル/桜(@ruunasakura

 

 

 

フィルムを重ねる多重露光の魔術師

と言うか、何度でも聞きたくなるんですが、本当に合成ではない?

 

「合成ではないですね。主にカメラの多重露光という機能を使っているんですよ」

 

た・・・タジュウロコウ・・・?

 

「簡単に言えば、同じフィルムの上に何枚も撮影することです。僕の場合は、多いもので3~4枚ほどになりますね」

 

おぉ、そんな機能があったとは!それを使えば、きっとガイトさんみたいなファンタスティックな写真が撮れるというわけですね!?

 

モデル/桜(@ruunasakura

 

「それは・・・どうでしょう(笑)。こうした特殊撮影は、写真を何枚も重ねていくので、思ったような色を出すのが難しいんです。色の強弱を考えて、ケンカしないようにするのがポイントです。失敗すると、紫ばかり緑ばかりの写真になってしまうこともありますね」

 

色がケンカ・・・なるほど、写真を重ねるからこそ、それぞれの写真の色味からどういった新たな色が生まれるのか完成を想像しなければならないのか。ここはやはり経験が物を言うのだろう。

 

モデル/桜(@ruunasakura

 

 

 

コスプレ撮影ではなく工場夜景撮影から始まった

「僕がこうした多重露光撮影をするようになったのは、だいたい3年くらい前からなんです。きっかけは、とある人の多重露光写真を見てスゴイ!って思ったから。カメラ自体は趣味で6年くらい前から始めたんですよ」

 

といっても、もともとカメラを始めた当時、ガイトさんはコスプレ写真を撮る予定はなかったのだという。

 

モデル/桜(@ruunasakura

 

「最初は工場夜景を撮っていましたところ、たまたまコスプレをしている友人に撮って頼まれたのがきっかけだったんです。それまではポートレートすらしっかり撮ったことがありませんでしたし、コスプレ写真は本当に難しかったです」

 

自分の思ったような写真が撮れなかったという悔しさから、コスプレ写真の研究をし続けたガイトさん。光の当て方や機材を一から見直し徐々に腕を上げていったそうだ。

 

モデル/桜(@ruunasakura

 

 

 

派手なエフェクトを撮影しても、主役はコスプレイヤー

「個別撮影は月に4~5回くらいしていましたね。スモークの巻き方・・・僕は巻くって言葉があまりしっくりこなくて、スモークで背景を描くって言うことが多いんですが、そうした技術や光の拡散のしかたなども少しずつ学んでいったんです」

 

魔法陣を出したり、炎を纏ったり・・・ガイトさんの写真は、まるで魔法のようである。

 

「でも、主体はエフェクトじゃないって気付いたんです。僕一人で作品は作れません。被写体はコスプレイヤーさんなんです。だから最近は、レイヤーさんに無理を言っちゃうことの方が多いですね」

 

一部からは『鬼畜のガイト』とも呼ばれるように、実際にガイトさんの撮影でもっともこだわるのはポージングだという。

 

モデル/桜(@ruunasakura

 

「鉄棒に吊るされたり、体幹を限界まで使ってもらったり・・・かなり厳しいことを要求してしまってるみたいです。スタジオで一緒になった他のカメラマンさんからは「よくそんなに冷徹になれるな」って言われることも(笑)」

 

確かにガイトさんの撮影したコスプレ写真を見ると、どういう体勢で撮ったんだ!?というものが多い。ガイトさんの技術とコスプレイヤーさんの気合と根性の賜物なのだろう。

 

モデル/らいな(@Rai_Na_cos

 

モデル/らいな(@Rai_Na_cos

 

 

鬼畜の撮影イベントを敢行

ただ、鬼畜とまで言われるガイトさんだが、逆に鬼畜な撮影を依頼されることもあるそうだ。

「23時間耐久撮影をしたんです。コスプレイヤーさん7~8人くらいに対して、カメラマンは僕一人でした。もちろん、1人1人撮影していくんです」

 

えぇ!?待て待て待て・・・コロナ禍で大人数の撮影を自粛とは言え、その前に倒れるんじゃ!?

「夜中、2時間くらい記憶が飛んでますよ。寝落ちしていたみたいです」

 

でしょうね!!ってか、23時間耐久はコスプレイヤーさんではなくてガイトさんじゃないっすか!誰だ、そんな鬼畜な撮影会を開いたのは・・・。

 

「M!këさんです」

 

・・・以前、インタビューに登場してくれたM!këさん。本当の鬼畜がここにいた。

 

見る人が合成だと思ってくれたら・・・

最後に、特殊撮影に関してのガイトさんの意気込みを伺ってみた。

 

「写真コンテストで賞を狙いたいとかそういうものよりも、カメラの中だけでどこまでできるかを突き詰めていきたいと思っています。見てくれた人が合成と思ってくれたら勝ち!!そんな写真をこれからも撮り続けていけたらと思います」

 

モデル/ きょん(@kyon_3021

 

 

●ガイト

Twitter:@gaito_photo

 

 




Writer

佐藤志郎

2010年に広告制作会社を立ち上げる。主要な取引先は通信販売会社であるため、得意分野はダイレクトレスポンス広告。


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