2021.08.07
【ゲームデザイナー:宮野華也】自分が一生遊べるゲームのために
プロゲームデザイナーになる方法って??
マンガ家や小説家ってさ、なんか衝撃を受けた作品があって「自分も描きたい書きたい!」って夢を描いて、出版社に持ち込みして、賞に公募して・・・っていうのが、世の中一般の想像するレールだと思うわけよ。でもさ、プロのボードゲームデザイナーってどうなのよ!?って思わないかい?
というわけで、実際に聞いてみたぞ!!インタビューを受けてくれたのは宮野華也さんだ。
製作ゲーム一覧
「う~ん・・・自分の場合はそれに近いかもしれないですね。理想は、ゲームの出版社から依頼を受けてゲームを作るというものですが、僕の場合はまだそこまで至れてはいないんです。なので、クラウドファンディングで支援者さんから資金を募って、ゲームを作るということもあります」
と話す宮野さん。とは言ってもゲームの専門学校の講師としても教鞭を振るう、紛れもなくプロだ。
「以前、ボードゲームのコンテストで大賞を受賞させてもらいまして、それが5年くらい前でした。それまではライトノベル小説家になりたかったんですよ」
もしも勇者がいるのなら
『もしも勇者がいるのなら】クラウドファンディングトップ画像
ライトノベル小説家志望からゲームデザイナーに転向
えぇっ!?なんでまたボードゲームのデザイナーに・・・???
「小説家の専門学校にも行ってました。卒業してからもウダツの上がらない状態が続いていまして、何か小説家としてのきっかけがつかめればって思い、恩師に連絡をとったんです」
夢を諦めたくない・・・何か一つでも実績がほしい・・・そんな切羽詰まった状況なのだったのだっろう。
「なんか仕事くださいってすり寄っていったようなものですね(笑)。その時、快く「遊びに来いよ」って言ってくださったのが、その恩師が開催するボードゲームの会だったんです。その頃は、全くボードゲームなんて興味がなくて、人生ゲームくらいしか知りませんでした」
ウケセメっ!〜そのウケをセメるのはオレだッ〜-
初めてボードゲームをプレイすることになった宮野さん。もともとゲームをプレイすることは好きで、新しいジャンルに飢えていたそうだが、その結果は・・・?
「感動しました!北欧神話を元にしたみんなで協力をするゲームだったんですが、まさかアナログゲームに新鮮さを感じることができるなんて、作り込まれたルールや世界観に驚いたんです」
そう、ボードゲームは一つひとつシステムが違う。まさかアナログゲームでここまで・・・?デジタルゲームでやればいいじゃん!!と言えるほど緻密なものもあるという。
「小説家として本当に残念な状況で・・・いろんなボードゲームを遊んでいるうちに、何か作りたい!!カタチにしたい!!という欲求が、そこで溢れてきたんです。しかも、ボードゲームって例えば透明なチャック袋に切った紙を入れる程度で同人ゲームとして頒布している人もいたりなんかして、参入のハードルが意外と高くないんだなってことも知りました」
カルガモ★マーチ
初めてカタチになった自分の作品
そして初めてカタチにしたものがTURTLE&BUNNYというゲームだ。
「注目してもらいたくてですね・・・その頃にTIGER&BUNNYというアニメが流行っていたんです。だから、ちょっと寄せれば目立つかなって(笑)。あ、もちろん内容は全く違うものですよ!」
そ、それも戦略である!!
「小説家よりも自分に合っていたのかもしれません。小説は誰かに読んでもらえるまでに数ヶ月近くかかります。自分は集中力が続かない性分なので、それがすごく辛い。でも、ゲームであれば、誰かに遊んでもらえるまで、数時間から数日くらいなんですよ」
サクラダリセットカードゲーム
ゲームのアイデアは先人たちが敷いてくれたもの
製作期間が短いほど、アイデアをいかに生み出せるかも重要になってくるだろう。
「僕は先にルールを考えることが多いんです。とは言っても、いろんなアイデアやルールが出せるのがスゴイのではなくて、先人たちがスゴイだけ」
え??先人たちとはどういうことだろう。
「自分が遊んで面白かったゲームの面白い部分をストックしておくんです。今度はその部分を120%楽しむためにはどうしようかなって考える。特に海外のゲームをヒントにすることは多いですよ」
なるほど・・・確かにゲームのジャンルの原点と言える作品は存在する。それに触発されて進化させることができれば、それは立派なオリジナルと言えるだろう。
ゾンビタワー3D
「先人たちが多種多様なゲームを出してくれて、遊ばせてもらったおかげで今の自分はあります。本当に先人たちのおかげです」
自分が死ぬまで遊べるゲームを
小説家志望から一転、ゲームデザイナーとしての道を歩き続けた宮野さんにとってのゴール・・・いやゲームクリアはどこにあるのだろうか。
「僕が死ぬまで遊べるゲームを作ることですね。これさえあれば他のゲームはいらない、これだけで僕は一生遊べる、そんなゲームです」
なるほど・・・それで世界中の人がプレイしてもらえたら?
なつめも
「というのはないんですよ(笑)。僕のゲームは、みなさんが遊ぶゲームの選択肢の一つであれば、それだけで嬉しいですから。それよりも、自分の理想とする自分が遊び続けられるゲームの開発を目指していきたいです」
まさに至高の逸品の求道者。エンターテイナーではなく職人に近いのかもしれない宮野さん。一生モノのゲームを作り上げられることを陰ながら応援したい。
ギャンブラー×ギャンブル!
●宮野華也
Twitter:@k_miyano
webサイト: https://t.co/Evx4pVyzgm?amp=1
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Writer
佐藤志郎
2010年に広告制作会社を立ち上げる。主要な取引先は通信販売会社であるため、得意分野はダイレクトレスポンス広告。