2020.05.15
【ボカロP:ぼーかりおどP】自分の中に眠る曲を叩き起こせるのは自分だけだ!
トレードマークとも言えるYAMAHAのギターを構えたぼーかりおどP
シトシト雨が降り始め、曇天が太陽を遮る。全くもって爽やかさのかけらもないこの日、おそらくMADという言葉が日本一似合う地で我々は一人の男を待った。ニコニコ動画の投稿歴は12年、そして動画投稿数が70を超えるボカロP・・・その名も『ぼーかりおどP』である。
ん・・・?
ぼーかろいどPじゃないんだよ。ぼーかりおどPで間違いないんだよ。いや、間違いでもあるんだけど、間違いないんだよ。
海外でも指摘される誤字脱字・・・そんなことを恐れちゃダメだ!
作曲ソフトSONARを操るぼーかりおどP
ぼーかりおどPは、そのP名についてこう語りだした。
「ニコニコ動画への投稿2曲目くらいだったかな。検索されやすくするためにハッシュタグを入れるんだけど、その時にね「#Vocaloid」って打ったはずが「#Vocaliod」って書いちゃって・・・。その時のニコニコ動画って、視聴者が投稿者のP名候補を決めるような風潮があったんです。曲とか動画とか、その人がどんな人か〜みたいなところから「お前は〇〇Pだ!」ってね。で、ぼくは当然、ボーカロイドの誤字を指摘されてしまって・・・ぼーかりおどPだ!ってなったんです」
たった「i」と「o」が入れ違っただけで10年以上も「ぼーかりおど」と言われ続けることになるとは・・・ぼーかりおどP本人も想像しなかっただろう。
「最初は焦りましたよ。2曲目を投稿した後、出先でニコ動をモバイルで開いて動画みたら「タグ早く直せ」ってコメントがあって、すでに「ぼーかりおどP」って名前が定着してましたね。もともとは本名をもじったアナグラムがいわゆるP名のつもりだったんですけど・・・今ではこれで良かったと思います。ちなみに、海外でもぼくの曲を聞いてくれる人もいるんですが、Vocaliod?Hey,Vocaloid?みたいな感じで混乱させちゃうこともありますね(笑)」
初公開となるか!?あの曲の裏話!!
おどPスタジオには1/6のミクさんフィギュアが飾られている
さて、ぼーかりおどPと言えばあの曲だ。目を閉じて曲を聞き始めれば、まさにそこは宇宙。真っ暗の中に輝く星々。そして高く浮かび上がるお月さま。自身の代表作でもあり、初音ミクの祭典マジカルミライなどで幾度となく歌われてきた【1/6 -out of the gravity-】だ。
もちろん我々もこの曲が大好きだ。人によって感じ方は千差万別だろうが、なんと言うか・・・「心安らぐ丁度いい距離感の優しさ」がたまらない。ニコニコ動画の再生回数は130万回を超え、ボーカロイドファンならほぼ確実に一度は聞いたことがある【1/6 -out of the gravity-】の裏側に迫りたかったのだが・・・
「内緒っす(笑)。何を歌っている曲なのか、どんな意味の歌詞なのか・・・ぼくがそれを言っちゃって良いことあります?もしかすると「へ〜なるほど!こうだったんだ〜」って思ってもらえることもあるかもしれない。でも、ぼくが曲の裏側を話すより「この歌詞ってこういう意味なのかな?こうだったらステキだな」って感じてくれている人も、きっといるんですよね。作者が「これはこうなんだ!」って言ってしまうと、それが正解になってしまう気がして。聞いてくれる人は何を感じてくれてもいい。全てが正解でいてもらいたいし、だから裏話があったとしても言えないですね」
なるほど・・・自分は自分、人は人、どんな風に曲を感じてもいい。ぼーかりおどPの言葉を借りるならば・・・【1/6 -out of the gravity-】を聞いた人は、たしかに「何か」から少しでも「軽く」なれる。だからこそ「一時の中毒性」ではなく「ちょっと重さを感じた時、リスナーそれぞれに合わせたカウンセリング」のような存在として、この曲は投稿から10年以上経った今でも聞き続けられているのだろう。
しかし・・・裏話を聞くのは諦めたが・・・なんかオンリーワンがほしい!ほしい!!ほしい!!!我々だけのために何か語ってほしい!!!!
わがままを言い続けた。困り果てるぼーかりおどP。そして我々は閃いた、ぼーかりおどPと言えば、ギタリストでもある。ぼーかりおどPさん・・・ろくぶんのいちなまでひいてくださいよいんとろだけでもかまわないんで!
「え!?いやいや最近、ぜんぜん弾いてないっすよ!無理無理む・・・そんな捨てられた子犬のような目でこっち見んなや!!」
というわけで【1/6 -out of the gravity-】のイントロ、生演奏してもらったぞ!!
活動を続ける意味とは・・・?
活動を始めてからリリースしたぼーかりおどPのCD
初投稿から12年・・・今でも年数回ニコニコ動画へ新曲を投稿しCDも制作する傍ら、アイドルをはじめとした各方面へ楽曲を提供したり、マンガのイメージソングを提案したりするなどクリエイターとして精力的に活動を続けているぼーかりおどP。ボカロPの中には、作曲活動をやめてしまったりする人もいる中、一体何がぼーかりおどPを動かすのだろう。
「初めてニコニコ動画へ投稿して、【1/6 -out of the gravity-】で多くの人に曲を聞いてもらえるようになって、いろんなボカロPさんたちと横のつながりも増えました。でも10年以上も経てば、生活環境が変わったり興味が他のことにズレていったりなんて当たり前だと思うんです。以前、親しくしてもらってたボカロPさんが活動しなくなっちゃうのは寂しさも感じるけど、逆に今でも続けてる自分の方がおかしいのかもしれないですね(笑)。一人でも聞いてくれる人がいる限り〜なんてカッコいいこと言うつもりはなくて、まだまだ自分の中にたくさんの曲があるはずなんです。自分の新曲を作れるのは自分だけですし、何よりも自分がその曲を聞きたいから続けているんです」
自分の中に〜・・・「自分はこれが限界だ」「これくらいで良しとしよう」そんな自分への合格基準を付けてしまうのが人間の性というもの。それを取っ払った自分へのストイックさこそ、ぼーかりおどPの強みなのかもしれない。最後に自分でも曲を作ってみたいと思っている人たちに向けて、メッセージをもらった。
「まずは1曲カタチにしよう!歪でも何でも構わない。作った時点で、それが最初の成功体験になるよ!!」
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当選者にはTwitterのDMもしくはFacebookのメッセージでお知らせ
快くサインを書いてくれたぼーかりおどP
ぼーかりおどP
Twitter:https://twitter.com/vocaliod_P
You Tube:https://www.youtube.com/user/VOCALIODP
ニコニコ動画:https://www.nicovideo.jp/mylist/6667938
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Writer
佐藤志郎
2010年に広告制作会社を立ち上げる。主要な取引先は通信販売会社であるため、得意分野はダイレクトレスポンス広告。