🇯🇵
🇯🇵

2020.07.22

【イラストレーター:ぺんたごん】妄想がカタチになるまで

好きこそものの上手なれ

世の中、神が氾濫している。日本はもともと八百万の神とか言うだけあって、どんなものにも神様が宿る。最近だと、神曲やら神7やら神のバーゲンセールとか揶揄されることもあり、とりあえず褒める時に神付けとけばよくね?的な風潮があることも否定できない。そんな、神への審美眼を試される昨今、我々が間違いなく神絵師の一人だと推すラストレーターさんにインタビューを決行した。

 

 

Twitterフォロワー数24万以上を誇るぺんたごんさんである。

 

Twitter @RailgunKy

 

今回、特別に描いてくれたコーヒーを飲む女の子のイラスト。

 

「こういうインタビューなんて初めてなので、緊張しますね」

 

と話し始めたぺんたごんさん。同氏が描くイラストの大きな特徴と言えば、その美しい線だろう。

 

「わかってくれてありがとうございます。たしかに線は意識していますね。今までずっとイラストを描いてきて、特に見栄えが良いと感じたり、色が映えたりするような線を模索し続けてきた結果、今にたどりついたという感じです。あくまでもイラストは絵が主役。例えば少年漫画のような物語の強さやキャラクターのインパクトというよりも、淡さやキレイさを表現したいなと思ってます」

 

今回特別に描いていただいたコーヒーを飲む美少女のイラストを見ても、キャラクターだけでなく「全体で一つの時間を切り取った」かのような印象を受ける。たった1枚で、イラストを見た者が場面を想像してしまう腕前には脱帽だ。

 

「いやいや、でもやっとここまで描けるようになったというところでして・・・やっぱり積み重ねが大切です。自分の場合は、模写から描く練習を始めましたね。好きなイラストとかをひたすら夢中で模写し続けて・・・気付いたら画用紙1,000枚以上になってました」

 

それは恐れ入る。やはり第一線で活躍する人たちは、見えないところで常人以上の努力を積み重ねているのだろう。

 

「実は、イラストを描いたので見てくださいってメールをいただくこともあるんですよ。でも、アドバイスって難しくて。今言ったように、自分が模写から入ったので、これから絵の練習をしたいって人がいたら、模写から始めてみるのもアリかもしれません。描きたい気持ちが何よりも大切で、今だとデジタルで描くのかアナログからか・・・とか選択肢がたくさん与えられていますけど、まずはシャープペンシル1本からでもいいと思います」

 

 

 

昔、ぺんたごんさんが描いたイラストも見せてもらうことができた。

 

 

中学生の時に出会った電子の歌姫

ぺんたごんさんのイラストと言えば、女子高生。大人が見れば思わずキュンキュンしてしまうような青さと甘酸っぱさが全開だ!一体どうして、こうした美少女を描くようになったのだろうか。

 

 

※ぺんたごんさんの作品集はこちらから!

 

https://www.amazon.co.jp/s?i=stripbooks&rh=p_27%3Aぺんたごん&s=relevancerank&text=ぺんたごん&ref=dp_byline_sr_book_1

 

 

「小さい頃から絵は大好きでずっと描いていたんですが、美少女を描いてみたいって初めて思ったのは中学2年生の時。VOCALOIDの初音ミクさんとの出会いでした。当時、二次元というものに全く縁がなかったのですが、一目惚れでしたね(笑)。それからというもの、初音ミクさんのイラストを何枚も描きましたね。あと、女子高生もので好きなのは、けいおん!です。特にドラムのりっちゃんが(笑)。自分のイラストでも、けいおん!のような青春の1ページを感じてくれると嬉しいです」

 

妄想が何よりの資料

高校生時代の青春の一コマなんて、大人になればなるほど色褪せていってしまうもの。しかし、ぺんたごんさんのイラストは、そんなセピア色の思い出をカラフルに呼び起こしてくれる。一体なぜ、たった一枚のイラストにここまでの力があるのだろう。どれほどの資料を集め、調査を繰り返し描かれているのだろうか。

 

「いやいや、そんな大層なものじゃないですよ。例えば今回描かせてもらったコーヒーを飲む女の子ですが・・・この資料は・・・全部妄想なんです(笑)。飲んでいるのは普通のコーヒーじゃなくて、ベトナムコーヒーなんですが・・・とっても苦くて練乳を入れたりして飲むんです。その初体験。どんな味なんだろう、苦すぎないかなぁって不安や緊張と、飲んだ後の美味しい〜っていう発見を表現してみました。こんな顔するかな、こんな部屋で飲むのかなって妄想して、それを絵にしたという感じです」

 

ちょっと下がった眉だけど口元は大満足!のような女の子の表情、たまりません!!

 

ぺんたごんさんのラフ。感情のままに描ききったそう。

 

KAWAIIが世界標準語になりつつある今

「カワイイ」という日本語が、今や海を越え世界中で使われるようになった。ぺんたごんさんも間違いなく世界の「KAWAII」を作り出す一人である。そこで、海外へ向けてぜひ一言!

 

「自分の絵は学校ものが多いので、もしかすると文化の違いであれ?っと感じることがあるかもしれないですが・・・かわいいっていう気持ちは世界共通だと思うんです。だから、KAWAIIを通して日本の物を世界へ、世界の物を日本へという架け橋になれたら嬉しいですね」

 

カワイイは正義、カワイイは世界共通。そんなイラストを描き続けるぺんたごんさん。ぜひこれからも、日本だけに留まらないご活躍を期待してます!!

 

 




Writer

佐藤志郎

2010年に広告制作会社を立ち上げる。主要な取引先は通信販売会社であるため、得意分野はダイレクトレスポンス広告。


  • 読み込み中...

Related Posts