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2020.04.22

同人マンガとは何か?

同人文化の代表的な表現手法『同人マンガ』

 

 

マンガ・・・もはや日本のマンガは世界レベルにまで達しており、近代における日本文化の代表の一角を担うと言っても過言ではない。マンガ家は子供のあこがれの職業でもあり、2014年度に行われた「第8回小学生 夢をかなえる作文コンクール」では、なりたい職業の第9位にランクインした。近年ではYouTuberなどの台頭により徐々にランキングを落としてはいるが、まだまだ上位であることは間違いないであろう。

 

 

そんな夢を追い続け、日夜筆を走らせるマンガ家の卵たち。

 

 

自分が物語を考え、構図を作り、キャラクターに魂を吹き込む。

 

 

さぁ、この素人(プロではない)マンガを「冊子」いや「電子書籍」でも構わないが、不特定多数が閲覧できるカタチに仕上げた場合、それは同人誌(同人マンガ)と呼べるのであろうか。

 

 

答えは『否』である。

 

 

まず、同人とは「主張・志」が重要だ。例えば、出版社に持ち込みをして商業ベースでマンガを描き続けることを考えた場合、ブームを作り出すマンガの傾向や出版社の意向なども考慮する必要がある。つまり、同人の持つ「主張・志」に雑念が入ってしまうのだ。

 

 

逆に、自らの主張を元に自らがマンガを描き、自費で不特定多数に向けて配布する場合は、立派な同人活動にあたり、同人マンガと呼べる。

 

 

同人マンガの優位な点は、費用こそ全て自分で賄う必要があるが、ナニモノにも縛られない自由な創作活動が行えるというところにある。特に表現の幅に関して言えば、いかに陵辱的な内容で読み手に過度な精神的ストレスを与えるものであったとしても、一切の制約が存在しないため本当の意味で自由だ。もちろん権利関係に置いても、既存作品の二次創作でない限り、全てが自分のものである。

 

 

利益率がよく同人マンガを出版することは、同人活動と言えるのか

 

最近では、商業誌にて執筆活動を行っているプロのマンガ家も、同人活動を行うことが多い。やはり複雑な利権や思惑が絡まり合うプロの世界、自分の「主張・志」を犠牲にしなければならないのだろう。

 

 

ただ、いやらしい話ではあるが・・・商業ベースで500円のコミックスが1冊売れても50円にしかならないのに対して、全て自費出版をすれば300〜400円ほどの利益になる。また、商業ベースのコミックスは1冊200ページほどではあるが、一般的な同人マンガは20〜30ページ程度だ。1冊に対しての労力が数分の一である。同人活動は全ての責任を自分で負うからこそ、ハイリスクハイリターン。しかし・・・この利益率の良さで同人マンガを描いているプロマンガ家を『同人活動』と言っていいのかは疑問が残る。

 




Writer

佐藤志郎

2010年に広告制作会社を立ち上げる。主要な取引先は通信販売会社であるため、得意分野はダイレクトレスポンス広告。


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