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2020.09.11

コスプレイヤーのいろいろな「形」

「コスプレイヤー」と聞いて、これを読んでいるあなたはどんな人を思い浮かべるだろうか?ネットニュースで見かける美少女コスプレイヤー、アニメやゲームそっくりの重厚な装備を身にまとったコスプレイヤー、もしかしたらコスプレを気軽に楽しむ身近な友人かもしれない。コスプレイヤーと一口に言っても、コスプレとの向き合い方や情熱の注ぎ方は人それぞれなのだ。

 

今回は筆者が日本で出会ったコスプレイヤー達を大きく7つのタイプに分けて紹介していこう。

 

①お仲間発見タイプ

好きなキャラクターのコスプレをして、コミケなどのイベントで推し作品の同志と出会い、交流を深める人々のことだ。憧れの存在に身を包むことで、初対面の人と話すことへの勇気が生まれる。また、一目で作品のファンだとわかる装いは同志に声をかけてもらえるチャンスを引き寄せてくれる。そうして出会った仲間と過ごす時間は一層思い出深いものになるだろう。

 

 

②非日常ファッションタイプ

日本では街中やショッピングモール、遊園地等でコスプレイベントが度々開催されている。それらに友人と参加し、非日常の装いで買い物やレジャーを楽しむ人々がこのタイプである。特に、友人同士で併せ(同じ作品・コンセプトのコスプレを一緒にすること)をしながら遊んでいると、兄弟や恋人など、まるでキャラクター同士の関係を実体験しているような気分になれる。

 

 

③世界観追及タイプ

作品の世界観に近づくための努力を怠らない人々のことである。素材にこだわりながら衣装や武器を自作したり、作品の世界そっくりの風景を求めて遠い場所まで足を運んだりと、思い思いのやり方で作品のイメージを創り上げていく。そしてカメラマンと試行錯誤しながら撮影された写真は、2次元を3次元へ昇華させたかと思うほど再現度の高いものとなる。

 

 

④特技合体タイプ

彼らは自分の特技とコスプレを掛け合わせて、より深い表現を模索している。歌ったり、踊ったり、楽器を演奏したり、はたまた料理をしてみたり。刀が得意なキャラクターになりきる為に、殺陣(たて:時代劇の刀で戦うシーンで使われる演技法)を習いに行くほど熱意を持つ者もいる。

 

 

⑤企画クリエイタータイプ

オンリーワンの併せを計画するアイディアマンとその協力者達である。何か月も前から参加者を募り、撮影の構図やシチュエーションを話し合い、万全の準備をして当日を迎える。時には100人以上のコスプレイヤーが集めて超大型の併せを行ったり、パーティーや運動会などみんなで楽しめるイベントを企画したりする。併せが成功した時の達成感は何物にも代えがたいものとなる。

 

 

 

⑥自分磨きタイプ

持ち前の容姿を活かしてキャラクターらしさを表現する人々である。整った顔だち・鍛え抜かれた肉体は、キャラクターという色を乗せるための最高のキャンバスだと言えるだろう。もちろん彼らは日々美容に気を遣い、ジムでのトレーニングに勤しんでいる。ファンが特に多いコスプレイヤーの中には、作品の公式コスプレイヤーとして活動したり、モデルの仕事をしたりしている者も少なくない。

 

⑦セルフプロデュースタイプ

今やコスプレはイベント会場や一眼レフの写真の中だけのものではない。最近は、自ら動画撮影を行いキャラクターやコスプレイヤー自身の魅力を発信する動きが強まっている。ダンスや寸劇をTikTokで公開するコスプレイヤー達は短い再生時間の中にキャラクターらしさを詰め込むテクニシャンである。また、YouTubeで視聴できるコスプレメイクや武器制作の解説動画は、コスプレを通じて培ったスキルを存分に発揮できる場となっている。

 

 

 

他にも、時事ネタを再現してコミケで注目を集める「ネタコスタイプ」、自宅でゆったり楽しむ「宅コスタイプ」等、カテゴライズしようと思えばいくらでもできてしまうのだが、今回はここまでにしておこう。

 

まさに十人十色の彼らだが、共通しているのは「憧れの存在になってみたい」「作品・キャラクターへの愛を表現したい」という思いである。つまり、これらの気持ちを抱いていれば誰だってコスプレを楽しむことができるのだ。

 

もちろん、誰もが最初からコスプレの為の技能を持ち合わせてはいない。通販で買ったコスプレ衣装も立派な変身道具だ。勇気をもって衣装に袖を通し、イベント会場やSNSで仲間を見つけ、キャラクターになりきる楽しさを共有していく。もしその中で「もっと好きなキャラクターに近づきたい」「自分だけの発想で作品の魅力を表現したい」を思うようになれば、衣装や武器作り、メイクへのやる気や、自分なりの楽しみ方のアイディアがおのずと生まれてくる。そのわくわくした気持ちを行動に変えていけば、もっとコスプレが楽しくなっていくのだ。

 

だから、ここまで読んでくれたあなたがコスプレの世界に飛び込むことを躊躇っているなら、この記事があなたの背中を押す力になることを願っている。

 

 




Writer

KAMOMI

管理栄養士にしてコスプレイヤーの新人ライター。得意分野はコスプレを主とするオタク文化、食物・栄養関連。


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